ウイルス警告メール
(別名 チェーンメール)


 もし、"JOIN THE CREW"というタイトルのe-mailを受け取ったら、絶対に開かないでください。もし開いてしまうと、ハードディスクのすべてが消えてしまいます。この文書をできるだけ多くの人に送ってください。これは、新種のウイルスであり、知らない人がたくさんいます。この情報は、IBMから手に入れました。この情報をインターネットにアクセスする人に知らせてあげてください。

 こんな書き出しで始まるメールを見かけるようになりました。コンピューターの急速な普及に伴い、コンピューターウイルスの被害も現実のものとなっている今、こんなメールを受け取れば「あらら大変、みんなに知らせなきゃ!」と思うのは当然です。

 でも、ちょっと待って下さい。

 メールで送られてくるウイルスは、全て添付ファイルという形になります。お使いのメールソフトが自動的に添付ファイルを開く設定にでもなっていない限り、メールを読んだだけで感染するウイルスはこの世に存在しません。(もし、そういう設定が可能なメールソフトをお使いでしたら、その機能は早々に切っておくことをお勧めします。そうしないと、本当にウイルスに感染する可能性があります。

 従って、この警告メールは単なるデマなのですが、実はもう一つの問題が隠されています。警告メールを受け取って、「さあ大変」と思った人が、知人に同様のメールを送ったとします。送られた方も「そら大変」とさらに知人に送ります。そこで送られた人もさらに知人に...という風に、連鎖的にメールが送られ続けます。そしてその数もねずみ算的に増えていきます。(鎖のように繋がっていくのでチェーンメールと呼ばれることもあります。)実は、これこそが、この迷惑メールの本当の目的なのです。

 インターネットとそこを通る情報は、よく道路と車に例えられます。通る車が増えてくれば道路も混雑します。普段、スムーズに流れている道路に、上の警告メールが大量に流れ出すと、たちまち大渋滞が起こり、本来の道路の役目を果たせなくなってしまいます。さながら深夜の新宿駅周辺の道路と道路を埋め尽くすタクシー群のように。
(タクシー業界のみなさま、変な例えでごめんなさい。不況ですからね。)

 話を戻します。大量にあふれだしたメールは、インターネットを混雑させ、メールサーバーそのものをダウンさせたりします。軽い親切心のつもりで出したメールが、実はそういった深刻なトラブルを引き起こす引き金にもなり得るのです。

「ようしわかった。じゃあ、そのことをみんなに伝えてあげよう!」

 それもちょっと待って下さい。

 その「みんなにメールを出す」行為自体がトラブルの元であり、このいたずらメールの目的でもあるのです。対処方法は「捨てる」、これで十分です。人に伝える場合でも、電子メール以外の方法を考えましょう。(このコラムもその一例です。)

 チェーンメールは、電子メール版「不幸の手紙」または「幸福の手紙」です。手紙を出し続けることで本来の機能に支障を来すことも同じです。「できるだけ多くの人に知らせて下さい」そんな一文が紛れ込んでいたら要注意です。

 また、最近の悪質メールとしては、有名企業の名をかたり、個人情報を送信させようというのがあります。例えば、
「こちらは○○ソフトのユーザーサポートです。この度、あなたは豪華賞品が当たる××キャンペーンのモニターに選ばれました。つきましては、ご本人様確認のために、住所、氏名、電話番号、クレジットカード番号を返送して下さい。」
これは、「消防署のほうから来ました。」と言って消火器を売りつける詐欺まがいの商売となんら変わりありません。企業名を信用してうっかりクレジットカードの番号を送信してしまったら最後、カード会社から身に覚えのない請求書が届くことになるでしょう。

 通常名の通った企業が電子メールでクレジットカードの番号を問い合わせることは絶対にありませんので、こういうメールはまず疑ってかかった方がいいでしょう。また、インターネット上の情報は、世界各地のコンピューターを経由して伝わっていくため、途中で情報が盗まれる可能性もゼロではありません。暗号化されていない状態(ブラウザーの下の方にロックされた錠前アイコンがでていない状態)で個人情報を送信するのもかなり危険です。

 と、危ない話ばかり書き連ねてきましたが、インターネットの利便性を考えれば使わない手はありません。みなさまも、ほんのちょっと気をつけて快適なインターネットライフをお楽しみ下さい。


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