細谷さんへ プログレ基本アイテム伝授!!

(Lastupdate Jun.08,00)


これからプログレを聴こうとするあなたそれからいきなり応用編のプログレばかりを聴き始めてしまったあなたも必見! 細谷さんのメールに答えながらプログレ基本アイテムを伝授します。  
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渋い出会い
 細谷さんから

「昔、ビヨンド・ザ・ビヨンドの攻略本でプログレの存在を知ったのですが、当時なんとなくキング・クリムゾンの名前は知っていたので、そういう系の音楽聴いていそうな友人に、キング・クリムゾンのCDを借りたりして聴いてました。(中略)初心者からでも入っていけるプログレバンドを教えて頂きたいんですけど、是非オススメと呼べるものがあれば教えてくれませんか?」

といった内容のメールを頂きました。どうもありがとう。
これを受けて、今回は独断と偏見「こだわりのブリティッシュ7大バンド+PFM」特集をお送りしましょう。

 先ずは細谷さんのメールにあったビヨンド・ザ・ビヨンドの攻略本のプログレページの紹介です。ビヨンド・ザ・ビヨンド(以下「ビヨビヨ」)の後略本でプログレを知るなんてなかなか渋い出会いをしましたね、細谷さんは。 あのプログレページはビヨビヨの攻略本のデザイナーさんがやはりプログレ好きで、ゲーム音楽がプログレなら、ゲームの内容をより深く知るためにもプログレの紹介をやりましょうということで作ったページでした。あのページで紹介していたアルバムはどれも良くできたアルバムで、プログレビギナーの方にも既にプログレにズッポリ浸かりながらも未聴というリスナーにもお勧めできる名作印のアルバムです。 読んだことのない方のために、「ビヨビヨ」攻略本(アスペクト発行)のプログレページで紹介していたアルバムを簡単に紹介しておきます。

1
キングクリムゾン「クリムゾンキングの宮殿」1969年リリース
イギリスのバンドで、日本盤発売元はポニーキャニオン。
2
UK「UK」1978年リリース
イギリスのバンドで、日本盤発売元は東芝EMI。
3
PFM「幻の映像」1973年リリース
イタリアのバンドで、日本盤発売元は現在ビクター。
4
ニュートロルス「UT」1972年リリース
イタリアのバンドで、日本盤発売元はキング。
5
アトール「夢魔」1975年リリース
フランスのバンドで、日本盤発売元はキング。
6
エニワンズ・ドーター「ピクトルの変身」81年リリース
ドイツのバンドで、日本盤発売元はマーキー。
7
アネクドテン「暗鬱」1995年リリース
スウェーデンのバンドで、日本盤発売元はアルカンジェロ。
8
ゴティック「ゴティック」1978年リリース
スペインのバンドで日本盤発売元はマーキー。

以上8枚でした。
 このプログレ紹介記事はビヨビヨの作曲者である桜庭 統(さくらば もとい)君のインタビューを交えながら、プログレッシヴ・ロックを広く世の中の人に知ってもらおうということから、各国のプログレを限られた紙面の中で出来るだけ万遍なく紹介しました。(皆さんご存じかもしれませんが「シャイニング・ザ・ホーリィアーク」や「シャイニング・フォースV」の音楽も桜庭君です。彼はプログレッシヴ・ロックの世界では少しは知られた存在で、世界各国にもディストリビュートされているんですよ。)
 年代も国もできるだけ偏りなく紹介しようということで、上記8バンドのアルバムを紹介したわけですが、細谷さんはこれらのCDはもう既に聴かれたでしょうか?

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プログレ聴くなら先ずはPFMキングクリムゾンでしょ!
 この中でも1:キングクリムゾン2:PFMは、僕にとって特に別格な存在として屹立するバンドです。

◆◇◆  

キング・クリムゾンの「クリムゾンキングの宮殿」は、僕にとっての「プログレの夜明け」と言えるアルバムです。僕がプログレへの道を突き進むことになった世紀の傑作です。このアルバムを聴くとロックのダイナミズムとリリカルな旋律、凶暴と叙情、ジャズ的なブラスに美しいメロトロンの洪水が今でも体を覆い尽くすような感覚になります。これを聴くときは出来るだけ大音量で部屋の照明は暗めにしてほしいですね(昔はプログレを聴く誰もがそういった儀式の中で聴いたものです)。
 作・編曲はもちろんのことイアン・マクドナルドのsax・キーボード(特にメロトロン)、マイケル・ジャイルズの衝撃的なドラミング、グレッグ・レイクの素晴らしい声(「21世紀の精神異常者」ではエフェクトかかってますけど(笑))、そして若かりし日の御大ロバート・フリップ翁のギターという奇跡的な演奏を、これから初めて聴ける人なんてホント幸せ者だぁ! 前回のコラムにも書きましたが、70年代クリムゾンのアルバム7枚(「クリムゾンキングの宮殿」「ポセイドンのめざめ」「リザード」「アイランズ」「太陽と戦慄」「暗黒の世界」「RED」)は是非とも発売順に聴いて欲しいですね。
 クリムゾンの新譜「the constrKuction of light」を聴くのはそれからでも決して遅くはないですし、新譜に入っている「フラクチャード」や「太陽と戦慄パート4」の元となった楽曲を味わってからの方がより深い部分を体験できることと思いますよ。

◆◇◆ 

そしてPFMです。イタリアのバンドで正式なバンド名は「プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ」と言います。(なんでもイタリア語で「(美味しくて)表彰されたパン屋のマルコーニ」ということらしい。)イタリアならではのクラシカルな響き、さすがルネサンス発祥の地ということもあって、イタリアならではのリリカルで美しいクラシカルな響きを伴いながらもロックのダイナミズムを失っていないという、本当に希有なバンドです。これぞシンフォニックと呼ぶにふさわしい世界を構築しています。
 1993年当時にキングレコードから出ていたCDのライナーノートでは、日本を代表するキーボーディスト「難波弘之」氏が「自分の一番好きなアルバム」とか、「このアルバムに出会えた人におめでとうと言いたい」と書いています。僕も難波さんと同じく、このアルバムに出会えた人に「おめでとう!」と言いたいですね。
 「幻の映像」はイギリスのプログレッシヴロックバンド「EL&P(エマーソン・レイク&パーマー)」が設立したマンティコア・レーベルから1973年に発売されたアルバムです。枚数からいうとそれまでにイタリア国内で2枚のアルバムを出しているので3rdですが、世界的にはこれがデビュー盤です。(実際自分もこのアルバムでPFMを初めて聴きましたし、当時の日本人は全員これが初めてPFMと出会ったアルバムの筈です。)
 プロデューサーはかのキング・クリムゾンのメンバー(作詞・アートワーク・ライティング担当)だったピート・シンフィールドで、「幻の映像」の英詩もピート・シンフィールドのペンによるものです。きっかけはEL&Pがイタリアにツアーへ行った時にグレッグ・レイク(ピート・シンフィールドという説もあり)が、たまたまPFMを聴いたことが始まりだそうです。そしてその音楽に惚れ込んだレイクとピートによってマンティコア・レーベルよりPFMの「幻の映像」は発売されました。
 ピート・シンフィールドのプロデュースによりイギリス国内で録音されただけあって、バロック的な展開などイタリアを強く感じさせる作品にも関わらず、ブリティッシュの範疇で聴いても違和感のない世界デビューにふさわしい傑作です。マウロ・パガーニの美しいヴァイオリンとフルート、フランコ・ムッシーダの素晴らしいギタープレイ(特にアコースティックギターの響きが格別!)、フラヴィオ・プレモリのキーボード群が作り出す美しく壮大で分厚い音の壁、フランツ・ディ・チョッチョの的確でオカズも多いドラミング、それらが全て一糸乱れることなく作り出すドラマチックなシンフォニックロックは聴く者を圧倒する素晴らしさですよ。



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