Sep. 12, 2004 


 

 何でも普通、手術後は取り敢えず覚醒するけれども夢遊病者のような状況で、意識はあって無きかのごとき状況らしいとか……。なのに移動式のベッドに横たわった手術に出発するボクは、カミさんに「手術室から出てくる時には両手でピースサインして出てくるからね」と……多分、直前に打たれた麻酔のせいでかなりハイになっていたんでしょう。それに、もしかすると多少はやけくそになっていたかも知れません。だって、思っていたよりも手術は大ごとになってしまっていたんですもん……。
 ボクの手術は胆のう摘出だけでは済まない手術になってしまったのです。ポリープの位置が肝臓に隣接していたためです。胆のうも肝臓も身体の中では最も内側にある臓器のひとつです。科学室にある人体模型だと心臓も食道も肺も肝臓も並列に並んでいます。例えば「大腸が最も遠い臓器かな」と思ったりしますよね。しかし臨床検査というレベルで考えると、大腸は内臓で最も外部に隣接した臓器と言うことになったりします。我々は普通、何かを身体に入れると言う時には口から入れるものだと勝手に考えます。しかしそれと正反対の部位にも入り口が存在してます。それはもちろん肛門です。肛門から管を通したりすれば、臨床検査用の細胞どころか、実際に大腸の様子を観察することだって出来るのです。 

 ※実際、悪性腫瘍が転移していないかを検査するため大腸鏡検査をやりました。ま ず下剤を飲みまくってお腹の中を空っぽにします。そしてお尻から内視鏡が入り ます。(あまり、人に見せたい図ではありません。どうしてこういう検査に可愛 い看護婦さんがつくのでしょう。お尻が丸出しなのは、相手が看護婦さんだとは 言っても滅茶苦茶格好悪いです。)このカメラの様子を患者もモニターで確認出 来ます。お腹の中って……神秘的なんですよ。「ミクロの決死圏」という昔の 映画を思い出してしまいました。

 そういう風にして多くの臓器は、開腹しなくても細胞の組織を検査することでその状態がわかるわけです。ところが胆のうや肝臓はそれがムリなんですね。だから胆のうのような臓器だと「腫瘍があるなら取ってしまおう」ということになるわけです。胆汁は脂肪分の消化の助けをする分泌液です。胆のうがなくなると、過度な脂肪分の接種が出来なくなるというデメリットがあります。しかし通常の生活で問題になることはほとんどないそうです。ボクも「胆のうが摘出されるのは諦めよう」と根性を決めました。しかし「肝臓の一部切除」は予定にありませんでした。前述の通り病理検査が出来ないため、ポリープを悪性腫瘍と考えての処置が適切ということらしいのです。色々検査した結果ではもちろん「悪性腫瘍の転移はありません」し、それよりもどうやら「悪性の可能性は低い」というのが患者のボクにでも匂ってきます。それでも簡単にお腹を開け閉めするわけにもいかず、少しでも疑わしいものは処置しておくべきだということなのです。もちろん、ボクがウンと言わなければ肝臓の一部切除は行われないのですが、ボクがOKしないばかりにやる気を失われても困りますでしょ?それは冗談としても、担当医の先生が真剣な分だけボクもそれに応えなければなりません。というわけで、肝臓の一部切除がプラスされたわけです。内視鏡の手術なら術後3〜4日で退院、手術後のダメージも少ないため社会復帰も容易である……という目論見は脆くもくずれ、ボクはどうしようもなく自虐的になっていたのかもしれません。

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