Aug. 29, 2003 


**カンタウトーレまたはソリスト**

 イタリアンロックものの再発に力を入れてきたレーベルというと、メジャーではキングやポリドール、最近ではレジェンド・シリーズの紙ジャケをリリースしたユニヴァーサルなんかがあり、またインディペント系ではエジソンやマーキー、最近精力的なディスク・ユニオンなんかがありますよね。ところがカンタウトーレ系となると、かつてのキングやエジソンに偏ってきたような気がします。ユーロピアンロック・ハンドブックIVに記載されているものを拾い出してみると、フンカムンカ「ジョヴァンナに捧ぐ」、アルザ・ファラックス「私の奇妙な教育法について」、ルチオ・バッティスティ「8月7日午後」、ファブリツィオ・デ・アンドレ「地中海の道程」他、レオ・ネロ「真実の檻」、アラン・ソレンティ「アレア」、チロ・ダッミッコ「オータム」等が収録されています。これらは、その後に再発の可能性のあるアルバムということで掲載されたと思われるアルバムです。実際には名作として定評のあるファースト・レアーレ&イル・ボーロ「愛の物語」等々や、カテリーナ・カッセリ「組曲・春」他がかつて発売された実績があります。
 エジソンではマリオ・ペローシの同名アルバム、マリオ・パンセーリ「秘められた記憶」、トト・トルクアーティ「少年の瞳」やウンベルト・バルサモ等が発売されていて、その後に発売が告知されていたマリオ・カステロヌオーボ、ステファノ・テスタはどうなったのかは定かではありません……これまで日本版を見た記憶はありませんけど。そういえば、アドリアーノ・モンテザーノがレアーレ・アカデミア・ディ・ムジカと共演した同名アルバムもエジソンから出ていましたっけね。

 BMGからもかつてフォルムラ・トレのアルベルト・ラディウスやトニー・チッコのソロ、ぺぺ・マイナなんかがリリースされていましたね。
 残念ながら日本版でCD発売されたことはありませんけど、クラウディオ・バリオーニのデビューから「ソロ(これ、アルバム名です)」辺りまでの諸作はオーケストラを導入したり、プログレ系のアーティストを起用したりしてどれも名作として名高いアルバムばかりです。アナログ時代はRCAでしたが、今は権利がBMGに移っているはずなので、かつては日本版の可能性に期待したものでした……結局出ませんでしたねぇ。今はリマスター盤が廉価で発売されているのですけど、ボクが買った当時の輸入盤は高かったなあ。イルボーロ加入前のジャンニ・ダラリオがリリースした「ダラリオ」は、自らが引くピアノやメロトロンを効果的にフィーチャーした歌物アルバムとして人気が高いアルバムです。アリーチェも、カルラ・ビッシ時代を除くデビュー作及び2作目辺りはかなりシンフォニックな仕上がりでプログレッシャーからの評価が高いようです。そういえば、キングのところで言いそびれましたが、ジノ・デリソというカンタウトーレはかなりシンフォニックロック系で評価が高いです。アリーチェの1st辺りと共に廃盤なのが惜しまれます。サイモン・ルカの3rd「E La Mia Mente?」はジャケットからは想像出来ない高水準の出来です。個人名義ですけれども、内容はバンド編成でいかにもイタリア然としていて好感が持てます。リッカルド・コッチャンテが残したアルバムはいずれも甲乙付けがたい高水準な出来です。ボクとしてはデビュー作の「Mu」をまず聴いて欲しいですが、一般的に最高作はヴァンゲリスやEモリコーニがアレンジャーとして加わっている「Concert Per Margherita」という76年の作だと言われているようです。(ちなみにボクは、このアルバム欲しさだけのためにBOXセットを買わされることになりました。ばら売りしてくれよなあ……その後、したのでしょうかね。)

 ボクが再発を熱望しているのがダリオ・バルダン・ベンボの一連のアルバムです。元エキペ84のメンバーだったベンボは、バンド脱退後にはソリストとしてはもちろんのこと、ミュージシャンやアレンジャーとして高い評価を受けています。彼の70年代のソロは分厚いキーボードを配したシンフォニック作として非常に評価が高いというので、何としても聴かないわけにはいきませんよね。ああ、再発してくれないかな……だけど彼の一連のソロ作は聞いたことのないレーベル発売なんですね、そういうレーベルだとマスターを粗末に扱うみたいだし、とても再発なんて無理なんだろうなあ……。



 というわけで、一応簡単にカンタウトーレの諸作を説明してきました。それでは、今回のお薦めアルバムの解説をしていくことにしましょう。

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