Sep.2,02 



Quatermass
 2枚目はクオーターマスです。このアルバムはアナログ時代の思い出が忘れられません。確かこのアルバムはアナログ時代には東芝EMIから発売されたと思うんですが、そもそもそれが間違いの始まりでした。当時のEMIのプログレって、個人的に絶賛できるバンドが意外と少ないレーベルでした。ビートルズ等の大物はあるものの、当時はそれほどでもなかったピンクフロイドがいるぐらいで、その他はお気に入りと呼べるバンドは皆無でした。例えば「第3の耳で聴け」とかの前振りで登場したサード・イヤー・バンドなんかには思いっきり空かされましたし、アモンデュールKなんかもEMIだったと思います。ファウストは違ったでしょうか? 今でもそれほど得意ではないサイケ系やシンセ系やマインド・ミュージック系が多いレーベルというイメージが強かったんです。初期ピンクフロイドもやっぱりサイケだし……。

そんな先入観があったEMIのクオーターマスを何故買ったのか? というと、知らなかったんですよね、レーベルを。多分知っていたら注文してなかったと思います。そして手にしたのがクオーターマスのアルバムでした。このジャケットがフロックを彷彿とさせてイヤな予感は更に増幅しました。(両方ともジャケットに翼竜といわれるプテラノドンが描かれていたからです。)フロックも今聴いたらわからないですけど、当時は全然ダメでした。フロックってアメリカのプログレという触れ込みで、当時リアルタイムで購入したアルバムだったのです。ショックだったんですよ。ボクにとってのプログレとはシンフォでしたから、カントリーっぽいフレーズが出てきた時にはひっくり返りました。今ではジェリー・グッドマンが参加してるとかで結構評価も高いですけど、当時プログレといえばクラシカルな物と思っていたボクには耐えられませんでした。だいたい恐竜の世界にクラシックは似合いませんよね。そんなジャケットがついていたら、いい気持ちになる方がおかしいと思います。今ではヒプノシスのジャケットデザインということで結構有名みたいですけど……。そんなイヤな出会いのクオーターマスの音楽は、やっぱり当時望んだ内容とはほど遠かったため、ほとんどターンテーブルにも乗らずに終わったアルバムでした。

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 そんなイヤな思い出のつまったクオーターマスをどうしてここで取り上げたかというと、当時と印象が変わったというのが大きいでしょう。相変わらずシンフォには聴こえませんが、むしろ前期ディープ・パープルみたいなアートロックをやっています。ボーカルがハードロックというか、イアン・ギランとロバート・プラントの中間を行くような感じなのです。これだけで、当時のボクにとってプログレでなかったことがわかります。しかし、演奏だけに耳を傾けてみると前述の通りに前期のパープルみたいです。かなり頑張っているハモンドオルガンは、ジョン・ロードというよりは初期のキース・エマーソンに近いかも……というと、多分褒めすぎでしょう。しかしかなりテクニカルなことは確かで、しかも結構クラシカルなフレーズも引いてます。それもそのはずで、キーボードのピート・ロビンソンはその後いくつかのセッション・ミュージシャンを経て、78年頃からブランドXに加入するほどの実力者だったのです。彼の経歴でボーカリストのバックバンド的な仕事以外は、結構ジャズロック的なバンドが多かったりしますし、やはりその筋のミュージシャンだったのだと納得がいきます。ベースとボーカルのジョン・ガスタフソンは、クオーターマス以前にはロジャー・グローバーの後釜としてエピソード・シックスというバンドにピートと共に参加したりと、パープルつながりな経歴を発揮しますし、クオーターマス解散後は元アトミックルースターのジョン・カン等とハードスタッフというハードロック・バンドを結成したりしていて、やっぱり彼のボーカルのスタイル通りの足跡を残します。ドラムスのミック・アンダーウッドは先に挙げたエピソード・シックスのドラマーになる以前にリッチー・ブラックモアが在籍していたアウトローズに加入していて、ここでもやっぱりパープルつながりです。クオーターマス解散後はフリーのポール・ロジャースとバンドを組んだり、第2期イアン・ギラン・バンドに参加したりしています。確かにクオーターマスは純粋なプログレ作としてはキツイ面もありますが、ボクにとっては90年代に見直したバンドとして印象深いアルバムなのでした。



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