Oct,02 



今月の1枚 String Driven Thing/The Machine That Cried
 今月の1枚はストリング・ドリブン・シングの2ndアルバム「ザ・マシーン・ザット・クライド」です。ストリング・ドリブン・シングというとやっぱり一番有名なのはヴァイオリニストのグラハム・スミスじゃないでしょうか? 後期バンダーグラフでピーター・ハミルを支えたことで有名ですよね。当時の彼のヴァイオリンをジプシー・ヴァイオリンなんて称してた記述を見た記憶があります。

 ストリング・ドリブン・シングは70年代に同名作をリアルタイムで購入した記憶があって、ヴァイオリンの音色のためなのか? いかがわしさが突出していたのを覚えています。このアルバム、ジャケットもいかにもいかがわしくて、ボクとしては1stを押したいところなんですけど、いくら探しても1stは発見できませんでした。プログレ専門誌によると1stよりも2ndの方が数段出来が良いように書いてあるので、そうだったのかという感じなのですが思い出まで込みで考えると1stも是非欲しいところであります。

 それでストリング・ドリブン・シングですけれども、どんなバンドかというとやはりヴァイオリンがポイントなのは明らかなバンドでして、通常ヴァイオリンというとリード楽器として使用されるのが一般的ですけど、スミスのヴァイオリンは小刻みに鳴らすことによってまるでギターのストロークのような効果を上げたり、もちろんリードに使ったりと使用法が幅広いのが特徴です。(ダリル・ウェイもこんな使い方してますけど、ウェイのように王立音楽院で正規のヴァイオリンの教育を受けたプレイヤーに出せないようなマイナーないかがわしさが漂っています。)男女のボーカルに、ギター、ベース、ドラムという編成でブルーズ・フレヴァーをまぶした気怠さが漂っている曲が多いように感じます。また、彼らのことをフォークロックというカテゴリーで評している記述を見た記憶がありますけれども、たしかにアコースティック・ギターにパーカッション、ヴァイオリンという編成で奏される楽曲にはそういった趣もあります。同作7曲目などはピンクフロイドのエコーズ的なサイケチックな楽曲になっていて、プログレッシブ的な展開や構成力を求める向きには薦められないにしても、割と曲毎のヴァリエーションは豊富だと思えるのですがどうでしょう?

 ストリング・ドリブン・シングはロックとしてのアグレッシブな面は薄いので、インタープレイ的なテクニカルなプレイを期待するリスナーにはきついかも知れません。フォークロック的なものが嫌いでなければ、一聴の価値はあるアルバムだと思います。ただし、やはりこの辺になってくるとコレクターズ的なアルバムではありますので、まず有名どころを通過したシニア・プログレッシャー向けということをお断りしておきたいと思います。


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♪.RYOKOさんから「エスペラント」を入手できるところがありませんか? というお便りがあったのですが、ご返事出来ないでいるうちに無事入手されたそうでよかったです。実はワールド・ディスクなどでは1stと3rdは在庫があるようなのですが、ピート・シンフィールドがプロデュースした人気の2ndは在庫がないという状態だったのです。2ndがないかなあ……と思っている間に、入手の連絡が入ってホッとしました。どのアルバムも、とても良くできていますのでじっくり楽しんでください。


♪.仙台の渡辺さんからもお便りを頂きまして、テクニカルなバンドはお好きそうなのが文面からも伝わってきました。


♪.関西のKRYさんからはレインボー・シアターについてメイルがありました。CD−Rの件ですが、ボクの知る限り現在は正規盤は発売されていないみたいです。ボクは聴けるだけでも有り難いという感じで……。アナログ盤を持っているなんて、すごいですね。


♪.変わったところではイタリアのペリフェリア・デル・モンド(PERIFERIA del MONDO)というバンド・サイドからもメイルを頂きまして、何でもネットを見ていたら自分たちのファーストを取り上げているホームページを見つけて、メイルをさせてもらったということです。「日本語はわからないから、何て言ってるのか? わからないけど、扱ってくれてありがとう。実はセカンドアルバム(second)が出るんだけど、キミなら楽しんでもらえるアルバムだと思うよ。」というようなことが書いてあって、その他にクレジット等のノートも書いてありました。このアルバム「UN MILIONE DI VOCI」というタイトルだそうで、19人のミュージシャンがフィーチャーされているらしいです。現在進行形のバンドの中でも全盛期のイタリアンロックを今に伝えるバンドとして高い評価のある同バンドです。もしも機会があったら、是非聴いてみて下さい。


 その他、お便りを頂いた方ありがとうございます。全て読ませて頂いております。



  というわけで、今回の「プログレの部屋」はいかがだったでしょう。

 今年は沢山のミュージシャンが来日しましたけれども、ボク的には今年最後の大物ライブとしてポール・マッカートニーへ行こうと思います。一般的なのかどうか? わかりませんけど、マニアの間ではジョン・レノンの方が評価が高いそうです。(ストレンジディズでそのような記述をよく見かけます。)だけど敢えて言いましょう。ボクはポールが大好きです。しょうがありません、ボクは小学生の時からポール好きなんですから。

 ビートルズを解散させた張本人として、ポールは悪者でした。しかしボクとしては、ビートルズ解散の犯人がポールだと思ってないのです。ボクがビートルズを聴き始めた頃、かろうじてまだビートルズは存続していました。小学校の高学年の頃、祖父にもらったポータブル・ラジオが当時のボクのお気に入りで、テレビよりもラジオが偉い! ぐらいの思い入れようでしたけれども、そこで流れてきていた洋楽の多くがビートルズだったのです。そして、それはまぎれもなく後期ビートルズの楽曲で歌っていたのはもちろんポールだったのです。ビートルズの前期からリアルタイムだった人はいざ知らず、ボクにとってのビートルズは間違いなくポールでした。そして「アナザーディ」。なんて暖かくて、寂しい音色の曲なんだろうと当時は愛聴してました。(ジョージの「マイ・スイート・ロード」も結構好きだったかな? )この頃から、ボクは一切の邦楽が視界に入らなくなって、正に洋楽一直線の時代に突入したのです。そんなワケで、来月はポールのコンサートを楽しんできたいと思います。また、感動のリポートがお届けできたらと思っておりますので、次回の「プログレの部屋」もお楽しみに、それではまた。

高橋宏之



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