Dec. 29, 2002 



ポールのライブ
 前回お伝えした通り、今月はポール・マッカートニーのライブに行ってまいりました。ポールのライブは2度目なのに、今回もテレビや新聞で大きく取り上げられてまして、その注目度の高さをあらためて思い知らされました。やっぱり、ポール・マッカートニーって偉大だったんですね。ボクのリアルタイムの頃のポールって、何だか悪者扱いされているところがあったので、あんなに友好的な扱いされるのは少し不思議な感じさえします。ジョンやジョージはヒーロー扱いされていたのにね。前回にも書いた通り、ビートルズを解散させたのはポールで、しかも「レノン&マッカートニー」というコンポーザー表示もウソで、本当はそれぞれ単独で曲を作ってきたのだということを暴露したポールは、「血迷ったイカサマ師」というような取り扱い方をされていた悪役でした。なのに、今では「誰もがポールを愛している」みたいな表現はいかがなもんでしょう。今でも特にミュージシャンにはジョンやジョージが人気みたいですけど……。あの頃、何でポールが好きだったのか?当時のボクにも良くわかりませんでしたけど、結局彼はエンターティナーで、それを好きだったんだなあというのが今ではわかります。それはポールという個性もそうですし、彼の作る楽曲もエンターティメントなものだったからなのです。それをポップと言っても良いかも知れません。ポールのメロディーは素晴らしいです。ボクは一般のポップはそれほど好きではありません。好きではないと言うよりも、聴いているうちに飽きてしまうのです。だけどポールの曲は飽きません。それは彼の曲に哀愁があるからだと思うのです。一般のポップスはどんなに複雑な曲やアレンジにしても、脳天気で陰りのかけらもありません。ところがポールの楽曲には明るさや華やかさがありながら、どこか陰りを感じてしまうのはボクだけでしょうか?例えば「アナザーディ」なんか、とてもなめらかな肌触りの楽曲の中にも切なさが伝わってきますよね。「ロング・アンド・ワインディング・ロード」や「エリナリグビー」の美しくも儚げなメロディーはどうでしょう?ボクはそんな曲の中にポールという天才の中にある孤独を見出すのです。そんなポールの最後といわれるライブが、この11月に行われるというので行ってまいりましたのは東京ドームです。ボクはポールのライブを見るのに何の躊躇もありません。しかし東京ドームというのがねぇ……。そんな遠くで音響の悪いライブを見ても、楽しめるのかなあ……と思いません?だけど、秀五氏と宇野(弊社の部長です)はノリノリにチケットを購入すると言うんです。みんなが行くのにボクが行かないで、後で「ポールは良かったよ!」とか、これ見よがしに言われるのも癪だというワケで行く羽目になったのですが……結果は大成功でした。いやあ、行って得したなあ。

 それにしても、ボクは今回のライブを舐めてました。ポールの最新アルバムも出ましたし、「きっとそこからやるんだろうなあ」というのもありましたし、ポールのソロ時のモノでも後期はあんまり知りませんからねぇ。そこからやられたら、ボクには対応不可と言うことになりかねませんでした。しかし、チケットを購入してからしばらくして、アメリカのライブの様子が伝わってくると少しボルテージが上がってきました。どうやら、ビートルズの曲をやりまくっているらしいのです。ポールの全盛期のライブ・アルバムでは多少のビートルズ・ナンバーはプレイされていましたけど、ほとんどソロやウィングス時の楽曲が中心でしたし、当時はポールもウィングスも絶頂期でした。しかし今回は売れているポールを見たいというリスナーが集まるコンサートではありませんよね。だから、どんなものになるのか不安だったのです。しかしそんな中で幕を開けたコンサート・ツァーはビートルズの曲をやりまくりだというのです。これは期待せずにはいられません。というわけで、期待と多少の不安を抱えながら、ライブ当日を迎えたわけです。

 チケットが売れてないのか? という思いがありました。チケット代が高いですから、やっぱり残るよなあとも思いました。だってCMをやりまくってましたもんね。結構ガラガラなのかと思ったんですけど、取り越し苦労だったみたいです。だって、会場の入り口は長蛇の列。人、人、人の波です。シーズン中のジャイアンツ戦でもこんなに並んでませんよという位の人です。入場がままならないため、コンサートのスタートが遅れたぐらいです。そして当然、会場も満杯です。やっぱりポールの人気はすごい。ポールは愛されてました。それが確認出来ました。何だかジーンとします。我々の席はスタンド席ではありましたけれども、その中では結構前の方でプロ野球の観戦だったらダッグアウトのすぐ近くで申し分のない場所なんですけど、ステージは結構遠いなあ……。

 コンサートが始まると、更にジーンです。だって「ハロー・グッドバイ」ですよ。もうコンサートを止めてしまった頃のビートルズナンバーです。これをライブで見た人なんて、当時のファンでも、どれだけいたのでしょう。そして数曲のビートルズナンバーの後、今度はジェットからウィングス・ナンバーの始まり。ボクは中期以降のウィングスはちょっとわからなかったので、紙ジャケでも「ヴィーナス&マース」までしか持っていません。同アルバム以降のナンバーでは座ってしまったのは、ちょっとひんしゅくモノだったのかも知れませんね……。ポールが弾き語りで何曲もプレイしましたけど、「ミッシェル」という曲が出来たエピソードなんかが聞けたのも嬉しかったですね。そういえばジョージはウクレレが得意だったという話から「サムシング」もやってくれて、その他にも「ジョンが亡くなって初めて彼を失ったことの大きさに気がついて作った歌だ」と披露してくれた曲なんかはジーンとしました。ボクの知っている歌いまくった曲ばかりが演奏され、若かった頃の自分に戻って歌いまくっちゃいました。いやあ、耳はキーンと耳鳴りがしてるし喉はガラガラになりました、でも最高!
 ありがとう、ポール。ボクはビートルズの解散前からあなたが一番好きでしたし、きっとこれからも変わることはないでしょう。もしも、またツアーを思い立って、その時も今回みたいにハイトーンまで完璧に歌いきれる自信があるなら、是非また来日をお願いします。ボクも絶対行きます。

 ポールのライブは「パック・イン・ザ・U.S.ライブ」として発売されましたので、このライブに行かれなくて失敗したと思われた方は是非聴いてみてはいかがでしょう。

新譜紹介です

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