Dec. 28, 2002  



お便りの部屋続き
 次のお便りは大阪のシオンさんからです。
始めまして 大阪のシオンって言います
友人に教えてもらって 拝見しています。凄いデス
私もプログレ大好きなのですが、ナニブン初心者なので圧倒的な数の音源の中で 自分が何を聞くべきか迷っています。良かったらアドバイス下さい

私は1959年生まれの43歳です。好きなプログレ系アーティストはPFM(先日の大阪公演、超サイコーでした。)アルティ・エ・メスティエリ(初期のん)等です……あと昔からELPが好きです。ジャズも好きですがそれはちょっと話がヤヤこしくなるのでカットして…… 
初期のPFMみたいな感じで かっちょイイの教えて下さい

ドラムは“フリオ・キリコ“カール・パーマー等バディ・リッチ型が好きです
ギターは“グレッグ・ハウ“マイク・スターン“等 適度にアウトするのがイイです
もっともマイク・スターンは かなりですがぁ(ーー;)

突然で失礼しました。 これからもオジャマしますので よろしくお願いします!

 どうも、初めましてシオンさん。ボクと同年代の1950年代生まれですね。昔からELPがお好きということですから、中期ELPはリアルタイムで愛聴された口ではないかとお察しします。(「恐怖の頭脳改革」とか「レディース&ジェントルマン」なんかですね。)初期PFMみたいなアルバムを紹介して欲しいと言うことですが、そんな凄いバンドがあったら、ボクが紹介して欲しい……というのでは答えになりませんので、ご希望に添えるようなものを考えてみましょう。
 ボクも昔リアルタイムにPFMにはまり、PFMみたいなバンドはないかと探してみたんですが……いくらブリティッシュやユーロのロックを追いかけてみても、PFMのようなバンドにはお目にかかれませんでした。その後90年代にプログレに復帰し、やはりPFMみたいなバンドはいないのか?というのは常に懸案だったと言えます。
 そして結局最終的に落ち着いたのは「PFMの独特の個性はイタリアに起因するものなんじゃないか」ということでした。あの頃のイタリアは伝統とクラシックが当たり前のように生活に根付いているような国でした。英米のビートロックのコピーのブームが終わった70年代の初期イタリアのロックは、当時の関係者の話では「あの頃のロックはみんなプログレッシブロックだった」そうです。「ロックとクラシックを融合したような音楽ならボクらにも出来るぞ!」と言わんばかりに、雨後の竹の子のようなプログレバンドブームが起こったとか……。
 ボクはそんなイタリアのクラシカルなテイストのロックが大好きです。当時のイタリアで人気のあったバンドは、クリムゾンやバンダーグラフやジェントル・ジャイアントだったそうですけど、いかにもそれらが好きなイタリアのプログレッシブロックという感じが彼らのアルバムから伝わってきます。しかしそれらが好きでありながらも、情熱的で陽気な国民気質が音楽のそこかしこに影響を及ぼしているためか、どちらかというとダークで思想的なイメージのクリムゾンやバンダーグラフに対し、情熱や陽気な気質が顔を出して来るイタリアンプログレという違いを感じますが、それが他国にはないイタリアだけが持つロックの魅力になっているのではないでしょうか?
 一頃ボクがイタリアにはまったのは、正にそんなプログレッシブロックがPFMに求めていたモノに共通していたからのような気もするのです。正直言って、PFMは唯一無二のバンドなので、「幻の映像」や「蘇る世界」そのものを求められても困るのですが、PFMの中の重要な要素であるテクニカルなパートからアコースティックな部分への転換の際に感じる「開放感」(上手くメロトロン等を使ってますよね)やテクニカルに重層的に展開する時の「上昇感」に通じる要素を表現しているバンドは結構あります。

 ボクはイタリア的な暖かさとタイトな演奏が共存するクエラ・ベッキア・ロッカンダをまずはお薦めします。基本的に2ndが最高作といわれていて、かつては「クエラやヤクラ」という風にレア度で2大双璧とされた一方の雄クエラは、発掘当時6桁で取り引きされた高プレミアムアルバムだったそうです。本当にPFM並の評価が与えられてもしかるべきアルバムだったのではないかと思いますが、メジャーのRCAからの発売だったことが彼らには不幸だったのか?悲惨なセールスだったようです。やはりメジャーのBMGから発売された1stも良いアルバムなのですが、こちらは2ndよりもワイルドな作りなのでPFMの完成度を求めるなら、やはり2ndから聴かれることをお薦めします。
 キングから日本盤が発売されたマクソフォーネも素晴らしいバンドです。彼らの唯一のアルバムは、どこまでも上昇していくようなエクスタシーが感動的です。彼らも、PFMやバンコに続いて海外進出を目論んだようですが、残念ながらその目論見は失敗に終わり、失意のうちに解散を余儀なくされたそうです。その他にも、更にクリムゾン的なメロトロンが印象的で大作感の強いジガンティの「犯罪の歌」や、もう少し牧歌的に音楽性を振ったかのようなチェレステ等々、イタリアにはPFM好きなシオンさんが気に入って頂けるようなアルバムが多数存在します。是非、この辺りから試されてはいかがでしょう。

 また、アルゼンチンのPFMとして紹介されるバンドはご存じでしょうか?バカマルテというバンドで、かつてベルアンティーク・レーベルより外盤に帯を付けた日本仕様も発売されていました。確かにアコースティック・ギター等の楽器のフィーチャー度は高く、そういうものがアルゼンチンのPFMと称された原因なのかな? と思ったりもしますが、アルバム自体の出来は良いのですがどこをとってPFMと称したのか? ボクにはちょっと理解出来ませんでした。だけど、ボクはアルゼンチンのプログレは結構好きで、やはりイタリアに通じるラテンフレバーがたまりません。それと、最近「あれ、以外とPFMっぽいな」と思ったバンドがアメリカのハンズというバンドで、ヴァイオリンやフルートのフィーチャー度が多いことばかりではなくラテン系のノリが気持ちいいですし、楽曲の展開もPFMっぽかったりします。このバンドは発掘モノで、97年にベルアンティーク・レーベルより外盤に帯付きの日本仕様で発売され、当時から持ってその時から気に入っていたのですが「こんなにPFMっぽい」と感じるバンドだとは思いませんでした。もしも機会があったら、試してみて下さい。

まだまだ続きます

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