巨人と呼ばれる人は凄い

 確かにジャズは「極端にメロディアス」でもない(しかしコルトレーンの「バラード」なんかは胸にしみます)し、「シンフォニック」でもありません。しかしマニア好みの音ではあるのです。ジャズのミュージシャンは「ほとんど」凄腕のテクニシャンでして、それを聴くのが面白かったりするわけです。バンド編成が多岐に渡っているので、バンド編成毎の違いを楽しむなんて方法も面白かったりします。好きなスタンダードを色々なミュージシャンで聴き比べてみるのも、ジャズの醍醐味だったりするようです。結構ディズニーの曲が取り上げられていて面白いですよ。好きな楽器を楽しむなんて方法もありそうです。ボクは元々、キングの宮殿のイアン・マクドナルドのサックスやフルートが好きだったりしますが、そんな楽器を使うのはジャズでは当たり前(というよりも彼らが影響を受けてるのかな? なので、存分に楽しむことが可能です。
 そして色々聴いてみて、ちょっぴりわかったことは「巨人と呼ばれる人は凄い」という当たり前のことでした。ジャズを聴かないボクらでも知っているマイルスやコルトレーンなんかは、やはり別格(しかも個性を持った)のミュージシャンであるということです。なんでもジャズにはマイルス派とコルトレーン派という2大派閥があるそうなのですが、ジャズファンは大概それに括られるらしいのです。確かに両者には他者にマネの出来ない独特の雰囲気がありますし、その後のジャンルへの影響も計り知れませんし、何しろアルバムの完成度が素晴らしいです。ボクはマイルスでは前述の「カインド・オブ・ブルー」や「ランド・アバウト・ミッドナイト」が特に気に入っています。(本当はプログレッシャーには「ビッチェズ・ブリュー」や「イン・ア・サイレント・ウェイ」「ジャック・ジョンソン」が適しているといわれているようですが……マイルスの独特の奥行き感や黒さを楽しむなら、ハードバップ系とモードの中間に位置するようなマイルスが一番のような気がします。)更に、ブルーノート・レーベルに残されたキャノンボール・アダレイのリーダー作である「サムシング・エルス」が好きです。同アルバムの「枯れ葉」はイントロを聴いた限り、誰が「あのシャンソンの枯れ葉」だと気づくでしょう?<br> コルトレーンといえばインパルスというレーベル以降が有名で、「バラード」や「クルセ・ママ」「至上の愛」なんかは彼を代表するアルバムに違いありません。シーツ・オブ・サウンド等と評された最盛期のプレイが聴けます。しかしプレステージ・レーベルに残された「ラッシュ・ライフ」やアトランティック・レーベルの「ジャイアント・ステップス」なんかも捨てがたい。マイルスバンドのサイドメンが脇を固めているのも功を奏していると感じます。かつてマイルスのバンドで活躍していた頃のはつらつとしたコルトレーンが味わいたいなら、マラソン・セッションとして名高いING4部作「クッキン」「リラクシン」「スティーミン」「ワーキン」なんかも楽しめます。

 ジャズにはミュージシャンやバンドへのファン以外にも、レーベル・ファンというのも存在するようで、最大にしてカリスマチックなファン層を形成するのがブルーノート・レーベルです。アナログ時代の1500番台というのが1つの人気シリーズだったようで、前出の「サムシング・エルス」やジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」等の人気盤が代表作。ブルーノートの紙ジャケット・シリーズは、それら人気盤を当時のレコーディング・ディレクターのルディ・バン・ゲルダーという人がリマスターを行ったもので、当時の特に人気盤を優先的にリリースしていった経緯があるようです。だから結局、ブルーノートを研究すればするほど、紙ジャケシリーズの9000番台のノンブルの1番から集めたくなってしまうわけです。我々プログレッシャーの気になるアルバムとしては、ジャズ・ロックの先駆けともいわれるリー・モーガン「サイド・ワインダー」やハービー・ハンコックの「処女航海」でしょうか? マイルスの黄金のクインテットの一員であるウェイン・ショーターの各種アルバムやトニー・ウィリアムのアルバムも聴き易いと思います。
 ヴァーヴやプレステージ、アトランティック等々のレーベルは純粋なジャズが多いので、プログレッシャーがいきなり入るのは薦めません。むしろ、ソニー(コロンビア)等の方が聴き易いアルバムがあるかも知れません。ソニーのハービー・ハンコックは「ヘッド・ハンターズ」以降ファンク・ソウル色を強くするので要注意です。



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