解散後
両作を最後にバンドは解散。アニー・ハズラムはソロとして何作ものアルバムをリリースします。(85年「スティル・ライフ」、90年「アニー・ハズラム」、94年「ブレッシング・イン・ディスガイズ」等。)その間、バンドのコンポーザーとして数々の名曲を作ってきたマイケル・ダンフォードはルネッサンスを再結成しようと活動したようです。しかしアニー・ハズラムはそれを受け入れず、いつしか2人は不仲になったというウワサもありました。そして95年についにマイケル・ダンフォードはルネッサンス名義でステファニー・アドリントンという無名女性ボーカリストを擁して「ザ・アザー・ウーマン」というアルバムを発表。期待と不安を半ばにしながら聴いたファンも多かったことと思います。結果、プロダクションのチープさも手伝ってか? けして高く評価できるアルバムとはなりませんでした。女性フロントのバンドの場合、様々な理由からボーカリストが交代する場合が起こります。しかし交代した結果が良かったケースはほとんどないようです。例えばイタリアのマティア・バザールというバンド(プログレ・ファンの方にはイタリアの伝説のバンド「ムゼオ・ローゼンバッハ」と「ジェット」が合体して出来たバンドというと分かり易いでしょう? その2つが合体したバンドでありながらイタリアン・ポップバンドなってしまったというのにも驚きます……実は彼らのアルバムの中にもプログレッシブなアルバムがあるのですけど……やっぱり血には逆らえないってことでしょうか? )の場合でも、アントネーラ・ルジエッロという声質と声域に恵まれた優秀なボーカリストが抜けた後は、どうも上手くいっていませんし……。ステファニー嬢の場合、面白いことに彼女のオリジナルな表現をした同作は頂けないのですが、「オーシャン・ジプシー」というセルフ・カバー的なトリビュート・アルバムでのアニーの楽曲では、なるべくアニーの表現に近づこうとして歌っていまして、これが結構「ザ・アザー〜」よりも何倍も良い出来です。確かにアニーほどの表現力はないもののクラシカルな雰囲気が出ていて好感が持てます。前出の「ザ・アザー〜」での彼女がダメだったのは現代ポップ風な歌い回しをしていたからだったことが、同作を聴くと良くわかるのも面白い話だと思いませんか?

アニーは、自分が中心存在だったルネッサンスをそんなボーカリストに取り替えられてアルバムリリースされて、面白いはずもなかったことでしょうが、あおんなアニーが97年に「ライブ・アンダー・ブラジリアン・スカイズ」というライブ・アルバムを発表しました。なんでもブラジルのファンがアニーとコンタクトを取って、ファンたちでコンサートを実施成功させてしまったという裏話のあるライブらしいのですが、さすがにアニーも歳をとったのかなあ……と感じさせるライブアルバムでした。特に前半数曲は前々声が出ていなくて……。しかし後半になると、さすがに往年の張りを取り戻してくれていました。今度のコンサートで彼女の声はどうなっているのか?というのは同作を聴いたファンには興味のあるところでしょう。

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そして昨年暮れの発売された「トスカーナ」です。もう、みなさんは聴かれましたか?ボクは本来だったら全然順番じゃなかったんですけど、このコンサートのために開封して聴くことになりました。同アルバム、さすがに絶頂期ほどの楽曲の冴えには至りませんでしたが、「碧の幻想」以降の低迷期を脱した感があります。オーケストラとの競演等が出来るはずもありませんし、絶頂期を望むのはちょっと高望みが過ぎますしね。しかし昨今の往年のメジャー級プログレバンドの再結成アルバムの中では、好感が持てる一枚であることは間違いありません。コンサートに行かれる方は特に、予習ということで聴かれたらいかがでしょうか? 今回のトスカーナを期に再結成されたルネッサンスが、今後どうなっていくのか? またケンカ別れをしてしまうのか?は、多分に、このアルバムの成果いかんにかかっていると思われますし、1人でも多くのフォロワーに支えてやって欲しいところですね。

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以上。21世紀、最初の「プログレの部屋」はいかがだったでしょう?最初はキース・レルフの「ルネッサンス」や、解散後に結成した「アルマゲドン」、またキース・レルフ他界後に妹のジェーンレルフ中心に結成される「イリュージョン」についても、少しは触れておきたかったのですが、何しろルネッサンスで書くことがあり過ぎちゃって・・・。そんなわけで、いつかまた、そんなところも扱えたらと思いつつ、今回はお別れしたいと思います。

いづれにしても全盛時代に出会えなかったルネッサンスが、21世紀にして巡り会えるというのはプログレッシャーにとって素晴らしい贈り物です。そんな幸運を是非見逃すことなく、みんなでルネッサンスのコンサートに足を運びましょう。ボクら(副社長の秀五含む)ももちろん行きますよ。ひょっとしたら、どなたかと会場でバッタリ出会ったりして・・・ね。
そんなわけで、3月16日は新宿厚生年金会館へ集合ですよ!

それではまた、次回の「プログレの部屋」でお会いしましょう。



高橋 宏之


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