これは覚えておかないと!
アメリカものでは注目すべきレーベルがあります。その名も「シンフォニック」に、「レーザーズ・エッジ」という2大レーベルは覚えておいて損はないはずです。いずれも往年の幻級アイテムをCD化して、プログレッシャーの注目を集めました。前述のAPとザ・ロードは正にレーザーズ・エッジからCD化されたものが日本盤仕様にされたものです。記憶だけで話をするのもあんまりなので、APについてあらためて聴き直してみると、確かにあの頃とは印象も変わっていて、ブリティッシュといわれる所以がわかってきます。
アルバムは74年、バンドはキーボードのジョー・ディファジオとドラムのロイス・ギブソンの2人の紹介写真以外(その写真で2人の担当を確認)にクレジットの記載もないのですが、アトラクティブな1曲目からリズムギターとベースがしっかり鳴っています。たしかにこれは70年代初頭のブリティッシュで、グレイシャス等に共通したイメージでハモンドがいい味出してます。
2曲目はアコースティック・ピアノが全面的にフィーチャーされたミディアムテンポのクラシカルなナンバーで、中間からメロトロンが朗々と鳴り響きます。その後も全体的にブリティッシュ・ナイズされた雰囲気の良い曲で占められた好アルバムです。2曲目に代表される少々大げさなアレンジが特徴と言えましょう。
4曲目は正にグレイシャス。クラビネットとハモンドでのユニゾン等アレンジのセンスも非常に良く、理想的なツインキーボード・プログレが楽しめます。けしてテクニカルなアルバムではありませんが、ハモンド系ブリティッシュロック・ファンなら必聴でしょう。

ザ・ロードの「ブレイズ・ザ・ロード」を1976年に発表、これは典型的なキーボードトリオ編成です。こちらは昔聴いた印象に共通するナイス系のオルガンロック。冒頭、スパニッシュ・ギター風のイントロで幕を開けて「おっ!」と思いますが、すぐにドラムとハモンドが加わって、典型的なトリオサウンドを聴かせます。こちらは録音がもうひとつなことから、今聴くと古くささも感じるかも知れませんが演奏自体はテクニカル。やはりエマーソンを意識したと思しきキーボードが特徴のバンドといえますが、1曲目の後半のソロではリック・ウェイクマンっぽいソロも披露します。いづれのアルバムも、アメリカっぽくないのが特徴です。レーザーズ・エッジからは他にザ・スピリット・オブ・クリスマス(実はカナダのバンドのようで、カナダというとケベックというイメージが強いのですが、このバンドに限ってはトロントのバンドです、手数の多いドラムにバランスの取れたリード楽器にどこか清涼感のある楽曲と、控えめながら以外にオリジナリティも高い・・・もちろんメロトロン入り)がめぼしいところなんですが、このレーベルは海外の発掘が得意みたいで英国のサラマンダーやスプリング、スペインのコト・エン・ペル、カナダのナイトウィンズ等リリースしていますし、現在進行形のスウェーデンのマンティコアやランドベルク、ホワイトウィロー等のリリースも積極的に行ってきました。





もう一つのシンフォニックレーベル
アメリカのプログレに興味を持って、同時進行的にボクが注目したもうひとつのシンフォニック・レーベルは、アメリカのレアもの廃盤のCD再発を積極的に進めてきたレーベルです。リフトカテドラルミルスランダーペントウォーターイエッダ・ウルファバビロン等が、同レーベルの主立った再発CD化アルバムです。

 リフトはシンフォニックの再発CD化第1段として発売されたアルバムです。少々明るめな感じなのですが、もちろんプログレ・ハード系のサウンドとは一線を画します。メロトロンも入っていますし、過度の期待を持たなければ結構聴けるでしょう。(メロトロンがかもし出す幻想性をもっと活かしてれば・・・と思ってしまいます。)これまで紹介してきたアルバムがブリティッシュやユーロ系だったのに対して、アメリカンなプログレと呼べるかも知れませんね。カテドラルは素晴らしいです。とにかくタイトなサウンドには「唖然」とさせられるでしょう。1曲目のベースとドラムとギターが畳み込む様は「まるでアネクドテン」なのですが、音楽の豊かさのレベルが違うというか・・・むしろ比較されるべきはウェットン在籍時のクリムゾンであって、78年作とはいいながら、押しと引きの絶妙なバランスが素晴らしくプログレ全盛の熱いサウンドがたまりません。(リレイヤー期のイエスという声もあるみたいです。)マーキーから日本盤仕様で発売されています(まだ売っていたっけかな)ので、未聴の方は是非試していただきたい逸品です。(もちろんメロトロンも沢山使ってます。)

 ミルスランダーもテクニカルな一枚です。カテドラルと比較すると音の重厚さで分が悪い(録音がカテドラルより大分落ちることも影響大)のですが、かなり凝った音作りがされています。バンドはドラム、ベース・フルート、キーボード、ボーカル・トランペット、ギター×2という6人組で、とてもメロディアスな演奏が心地よいです。ギターの鳴らし方はハケット風だったりしますし、ジェネシスを意識していたのかも知れません。ライナーに1974年当時のライブの様子などが乗っていることを考え合わせると、プログレ全盛当時の遺産的アルバムなのかも知れませんね。(このバンドの英語のライナーは呼んでいなかったことを思い出しました。横着になったもんです。)

 次にご紹介するのはペントウォーター。CD化されている「Out Of Water」は実はレギュラーアルバムではないらしいです。同名アルバムがLP時代に名作として名高かったとか・・・。しかし、このシンフォニックからのCDがアウトテイク集だとしたら、ペントウォーターってとてつもないバンドですよ。これもやはり非常にタイトで凝った作りをしています。屈折したアレンジは、少々ジェントル・ジャイアント風だったりしますが、それよりもシンフォニックですし大作指向です。初期ジェントル・ジャイアントがもっとシンフォニックで大作指向だったらなあ・・・とリアルタイムで思っていたボクにとって、ペントウォーターは驚きのバンドです。ジャケ裏に使用楽器が記載されているのですが6人編成で30種類の楽器を駆使しています。まあ、オーソドックスな楽器は除くとしても、フルート、ハモンドオルガン、ハープシコード、メロトロン、ミニムーグ、オーボエ、ティンパニ、ヴァイオリン等々、プログレマニアの好きそうな楽器が並んでいることで、このバンドのプログレ度が分かると思います。コーラスの感じもジェントルしてますし、ボクのお気に入りバンドです。イエッダ・ウルファは自主制作で2枚のアルバムをレコーディングしているアメリカン・アンダーグラウンドではベテランバンドです。リリースではなく、なぜレコーディングなのかというと、1stが300枚の自主プレスであったのに対し、2ndはマイナーながらレーベル契約に成功し、いったんはレコーディングまで果たしながらレコードプレスされることはなかったからです。結局2ndとして製作しシンフォニックからCD化された「Sacred Baboon」は13年間お蔵入りしていた未発アルバムです。1曲目などは先の3バンドと比較するとストレートに聴こえてしまいます。しかしそれらと比較すればの話で、リフト等と聴き比べれば十分屈折したサウンドを有していることがわかります。実際2曲目は真性ジェントル・ジャイアントで、初期ジェントルのフォロワーといっても過言ではありません。特にそう感じさせてしまうのはボーカルのメロディーラインのためかも知れません。アメリカではジェントルの人気が高かったそうですが、これらのアルバムを聴いてみて「なるほどなあ」と納得がいく気がします。

 そしてバビロンなんですが、実はまだ購入後封を切っていません。リリース後にリアルタイムで購入したのに、まだ順番が来ていないんですね。(すんまそーん。)だから正確にお伝えすることは出来ないのですが、これまでも幻級のアイテムとされてきたバビロンですから期待は裏切らないと思います。メロトロンも結構入っているということですし、ジェネシスタイプのサウンドということで、まず間違いないと信じてます。一説によるとアルバトロス、バビロン、リバイアサンがアメリカン・プログレの3大廃盤だと・・・聴いたような・・・。(ちなみに、その昔ライブ盤がマーキーだったか?から発売もされていたようですし、マニアの注目度は高かったバンドだったはずです。ボクはそういう情報から、購入できて満足だったりするのですから、マニアだなあ。)



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