〜ブリティッシュロックの巨人達〜

5月の声を聴きゴールデンウィークだと言うのに、プログレの部屋4月号を「やってなかった」ことを思い出しました。急に思い立ってもなあ・・・。そして困った果ての緊急企画! ブリティッシュ(プログレッシブ)ロックの巨人達について、今後しばらく語っていこうかと思います。(思いついて別の企画が入る場合有り!)



ぷろろーぐ
 これまで何度も書いてきた通り、ボクは70年代にプログレを聴いてきましたが「新しいバンド発掘が出来なくなった」ことを期に、その後93年までプログレッシャーを止めていました。あの日、あのレコード店でプログレのコーナーを見つけ、ルネッサンスの1st「プロローグ」とムーディーブルースの「サテンの夜」、ウルフの1stを買っていなければ(確かその3枚だったと思うけど)、プログレッシャーに復帰することもなかったことでしょう。今こうして「精神的な豊かさ」を味わえるのも、あの日のちょっとした「気まぐれ」と「空白の時間」のおかげだったと言える訳です。考えてみると「あの日」は、ゲーム制作者としての「ボクの人生」をも大きく変えた忘れられない日で・・・公私ともに忘れ得ない日として、いつまでも記憶に残ることと思います・・・。  そしてディスクユニオン新宿店の「プログレフロアー通い」が始まり、そこで入手した「キングレコード版ユーロロックハンドブック」がバイブルとなって、イタリアンロック系からプログレの暗黒面へと沈んでいった訳ですが・・・。記憶を70年代に戻してみると、プログレに明け暮れたあの頃、ボクの音楽人生の中心をなしていたのは紛れもなくブリティッシュロックでした。


PFMの「あの1枚」
 ボクの70年代プログレマニア後期、確かに始めてイタリアンロックを知らしめた「あの1枚」は鮮烈でした。マンティコア・レーベルより発売された「白地にパステル調の色彩でシンプルにして可憐なイラスト」ジャケットのイタリアンロックバンド「PFM」の世界デビューアルバム「幻の映像」は、ボクのプログレッシャー人生まで変えてしまったアルバムでした。ブリティッシュロックからは「絶対出てこない」類の気品と歴史の重さを感じさせてくれる重厚感でボクをノックアウトしました。これを期にボクの中ではブリティッシュから、PFMのような音楽を探すことへと音楽探究の方向転換が行われていたのです。それほどインパクトのあったPFM! しかし、どんなに探してもPFMのような音楽はありませんでした。例えば当時見つけたイタリアのロックバンド「イ・プー」は良質ではありましたが当時のボクには物足りないモノに感じられました。(実際には今聴くと凄く良い! 「パルシファル」や「ロマン組曲」を聴いたら驚くほどのクオリティだぞ!)そしてPFMの次作「甦る世界」はボルテージが明らかに下がったと感じられ、その後プログレへの思いがフェードアウトしていったのでした。(輸入盤店に注文しPFMのイタリア盤1st及び2ndまで買うほどのめり込み、特に1stのクオリティの高さに大納得していたボクだけに、必要以上の期待を「甦る世界」に求めてしまったのが原因だったのです。実際には「甦る世界」も最高! あれをダメだなんて思うなんてどうかしてた・・・。)


90年代
 まあ、そんな訳で90年代には「ユーロロックハンドブック」で知ったイタリアンロックを片っ端から聴き狂い「こんなスゴイバンドが大量にあったのか!」と驚き呆れる時期が2年ほど続いたでしょうか・・・その昔聴いたブリティッシュたちも結構良かったんじゃなかったけなあ・・・と、イタリアン以外のプログレにも興味が広がっていったのでした。そして往年のブリティッシュプログレを少しづつ揃えていくことになる訳ですが、確かにイタリアンプログレは「情熱的でメロディアスで」既存のプログレにはなかった感覚を与えてくれるのですが、ブリティッシュをあらためてしっかりと聞き直してみると良いんですね、これが!
 プログレ探求は、結局「まだ見ぬ未体験音楽の発掘」に他ならない訳で、どうしてもレアなアイテムに目が向きがちになります。もちろんスゴイバンドが見つかれば、関連作の全てを集めなくなるのが人情で、実際そうやっているのですけど・・・いつでも買えるモノよりは「今買わないと2度と買えない」モノを先行して買うのが性というモノ・・・ブリティッシュプログレはどうしても後回しになってしまっていました。ところが実際、クリムゾン等を収集し始めるとブリティッシュロックの出来の良さは歴然、「やっぱり本場のバンドは違うわ!」と納得しないわけにはいきません。PFMやフォーカスといった超一流所は別として、バンドの基本能力の違いは一目瞭然、しかも録音のクオリティも比較にならないほど高い。ブリティッシュを聴けば聴くほど、ブリティッシュがプログレのメインストリームであることを再認識せざるを得ないのです。最近のモノになるとデジタル音響機材も安価になってきていますし、ホームレコーディングといってもマスターリング次第でクオリティの大きな差は感じられず、そうなってくると逆に産業ロックに成り下がった音楽環境が災いし、むしろブリティッシュ勢が圧倒的に不利な状態に追いやられている昨今ですが、その当時は国力の差が録音クオリティの差になっていると言っても過言ではないでしょう。

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