iMacDV編 その2

(Aug. 6, 2000)


iMacDVでデジタルビデオ編集はどこまでできるか?

 私事で恐縮だが、私は今でこそゲーム関係の職業についているが、学生時代、かれこれ10年以上も前になるが、東京学芸大学で生化学を学んでいた時期があった。(教員養成系の大学で、卒業生の二人に一人は先生になるという状況で、まともに就職活動もせずに気がついたらゲーム屋になっていた私はかなり特異な存在だったかもしれない。ちなみに、同大のOBにはかの押井守氏がいる、らしいが会ったことはない。昔サークル勧誘の時にそんなこと言われた気がする。)

 その時の恩師である武田幸作教授が退官されることになり、東京学芸大学において最終講義を行うこととなった。その前年行われた同窓会で歴代の卒業生から写真を集めて電子アルバムを作ろうという話が持ち上がっていたので、それなら最終講義もムービーにして一緒に入れようということになった。さすがに学校関係や研究機関にお勤めの方が多く、コンピューターがらみの用事はほとんど私の所に回ってくる。あのー、ビデオ撮影とかwebページ製作は本業じゃないんですよ。ゲームとは別のものなんですが…。どうもコンピューター関係ということでひとくくりにされている気がする…。

 なお、最終講義では、私の一年上の先輩にあたる高橋昭久氏(うちの会社の高橋Bros.とは無関係)の発案により、液晶プロジェクターを用いた「動くスライド」を使用することになっていた。各種学会や講演会に参加されたことのある方ならだいたい見当がつくと思うが、講義の資料を大画面に投影するアレである。スライドフィルムやオーバーヘッドプロジェクターを使うのが一般的らしく、ほとんどが静止画なのだが、今回試みた「動くスライド」はマイクロソフトのPowerPointのスライドショー機能と大型液晶プロジェクターを組み合わせたもので、文字や写真がズームしたりスクロールしたり、資料が話の内容によって刻々と変化するような見せ方ができる。

 もともとPowerPointというソフト自体、プレゼンテーション用のソフトらしいのだが、恥ずかしながら全く使ったことがなく、今回高橋氏が用意した資料には私自身も正直驚いた。高橋氏が資料作成にiMacDV(ストロベリー)を使っていたこともあり、本番でも再生用にMacが欲しいという話になった。

 ちょうどそのころ、千葉県の幕張でPowerBook(FireWire)が発表された。発売は2月18日から。最終講義は2月19日。なんというタイミングの良さ。高橋氏に「新しいパワーブック買わないの?」と突っ込まれ、「また品薄でしょうからね。買えたら19日持ってきますよ。はっはっは。」と切り返すも、発表日翌日の17日には予約にショップに走る。さらに翌日18日、夕方ショップから入荷の連絡があり取りに行くが「メモリは対応が確認できないから売れない」の一点張り。らちがあかないので一階下のDOS/V売り場でSO-DIMM PC100規格のメモリを買う。(たぶんバイオノート用だったと思う。)というわけで、めでたく再生用Macに発売されたばかりのPowerBookが使用されることになった。PowerPointはメモリ大食らいソフトとして有名らしく、今回使用した最終講義用のファイルを再生するためには100Mバイト以上のメモリを割り当てる必要があった。メモリ買わなかったら使い物にならないところだった。

 それにしても…、あー、また一台増えちゃった。3400どうしよう…。

使った機材:
 Apple PowerBook (FireWire) 400
 EPSON ELP-8000 液晶プロジェクター(高橋氏手配によりEPSONから借用)
 OLYMPUS C2020Zoom デジタルカメラ
 Panasonic NV-DS9 デジタルビデオカメラ
 NV-DS9用ズームマイク、汎用ビデオカメラ用三脚

 講義は正味90分、前後の紹介や花束贈呈を含めて約100分の長編となった。キャプチャーに要したファイルサイズは、トータルなんと約20数ギガバイト。ハードディスク交換してなかったらとうてい収まりきらない量である。(うちのiMacDVはディスクを37Gに換装済み。)

 はじめはお手軽にiMovieで編集しようと思っていたのだが、高橋クライアントから歴代の学生の名前をテロップにして入れてくれとか、スライドの画像を大きくして挿入してくれとかいろいろ注文が入ってきた。テロップだけならまだしも、別の画像を組み込むとなるとiMovieではちょっと荷が重い。画像挿入は可能なのだがDVストリーム音声が途切れてしまうのでこの場合は実用にならない。いったん音声トラックだけ分離してやればいいのかも知れないんだけどなにせ100分もあるんでそんなことしてたら日が暮れる。(そうでなくてもレンダリングで日が暮れたが。)

 そこで、昔から使っていたPremiereの出番となった。残念ながらFinalCutProは資金的に手が出ず。使ったPremierのバージョンは5.1J。ソレンソンビデオのパラメーター設定に難儀したりしたが、最終的に480x320でレンダリングを行った。レンダリング所用時間はなんと30数時間。レンダリング中に残り時間が表示されるのだが、2日とか出るとさすがにがっくりする。夜仕掛けて、夜通しレンダリングして、会社行くときまだやってて、帰ってきてもまだ終わってなくて、翌朝になってようやく完了しているという感じ。24時間つけっぱなし状態で、エフェクトをいじってはレンダリングという作業を2週間ぐらい繰り返し、最終的に約360Mバイトのムービーファイルができあがった。100分を1分にまとめたダイジェスト版があるので、興味がある方はみていただきたい。(内容が専門的かつものすごい端折り方をしてるのため、全然意味わからないとは思うのだが…。)

 参考までに書いておくが、iMovieではDVストリームは2Gバイト毎に自動的にファイルが分割される。これがPremiereだと全部つながった1つのファイルとなった。(後日Premiereのバージョンを5.1cにしたところ、また2G単位で分割されるようになった。詳細は不明。間にMacOS自体のアップデートも挟んでいるのでさらよくわからない。いずれにしろ作業に不都合はないのだが。)

 ムービーと卒業生からの写真をあわせ、htmlで電子アルバム風に編集し、Adaptec Toast 4.02JでハイブリッドCDを作成、これを4人で手分けして120枚焼いた。ムービーと写真のせいで約600MバイトのCD-ROMとなり、手伝っていただいたみなさん大変だったと思う。うちでは新しく入れたRICOHドライブとIMATIONのCD-Rディスクの相性が最悪でYAMAHAの4倍速でしか焼けずにえらい苦労したけど。

 こうして最終講義ムービーを含む電子アルバムCD-ROMは、後日行われた退官記念祝賀会にて、無事卒業生に配布された。ムービーヘッダーの調整がうまくいってないので、ウインドウズで見ると画面が出るまでにすごく待たされたりと、いろいろ改善すべき点は残ったが、まあ、最初にしては上出来だろう。祝賀会は祝賀会で、また懲りもせずビデオ撮影をしているのだが、これはPart2ということで。

つづく


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