そうしてAVアンプをどうするか悩んでいたある日ある時、偶然にホームシアターシステムに必要なセンタースピーカー、それも英国BBC放送やジョージ・ルーカス率いるスカイウォーカー・スタジオで導入された名門B&WのCC6S2を半額以下で見つけてしまいました。割引率とブランドに目が眩んでAVアンプが無いと使えないセンタースピーカーを勢いにまかせて買ってしまったのです。そして会社に届けてもらったセンタースピーカーを会社にあるオーディオに繋いでみると……なんと素晴らしい音! そこでそのその音を聴いた宇野チャンも、自分も欲しいと同じお店で同じスピーカーを購入することになりました。その宇野チャンのセンタースピーカーを購入するときに駄目で元々というつもりで、そのお店にAVアンプAVC-A11SR-nの値段交渉をしてみると、新品にも関わらずなんとそこらの中古ショップよりもお安い価格を提示され、これまた割引率に目が眩み宇野チャンと勢いだけで購入(2台購入ということで、さらに値引きあり!)。高い買い物でも、買うのが自分ひとりだけじゃないと思うと勇気がでるものですねぇ(赤信号、みんなで渡れば恐くない、ってか)。嬉しくて悲しい出来事でした。

 実はAVアンプに関してはこの他に一旦候補に入るも泣く泣く候補から削った製品がありました。通常サラウンド効果を効果的に得るには数々の微妙な設定を間違いなくこなす必要があるのですが、そのパイオニアのAVアンプはこれらの設定を全て全自動でやってしまうという優れもの。しかもそのサラウンド音響補正システムはビートルズなどのプロデューサーで有名なジョージ・マーティン率いるAirStudio(エアー・スタジオ)監修によって作られたというから凄そうです。サラウンドの性能がいかに優れていようとも、設定がうまくいかないせいで、体を突き抜けるサウンドを体験できなかったらイヤじゃないですか。その点パイオニアのAVアンプは全自動設定と言うことで、実に安心便利なシステムになっていたんです。しかしピュアオーディオモードが付いていないということで関係各諸氏から反対され、泣く泣く候補から削ったのです。

 でも今考えるとこの選択は正しかったと思います。だって買ったDENONのAVアンプは線が太くて力強い、今まで使っていた機器とは次元の違うサウンドを聴かせてくれたからです。……しかし、その素晴らしい音を奏でるための設置&設定はムッチャ大変でした。設置場所をリビングルームに決めたのですが、その時点で家族に気を使うことになります。(今までどこにも無かった物がリビングを占拠するのですから、家族からしてみればそりゃ当然ですけど。)それに配線がとにかく大変です。スピーカーはフロント2chにセンタースピーカーにリヤスピーカー、そしてサブウーハーなど、サラウンド環境に必要なものは間違いなく全てキチンと繋がなくてはなりません。特にリヤスピーカーは家族から邪魔だの、見苦しいだのと言われないように気を使って、ケーブルをできるだけ目に付かない経路で後ろまで取り回さなくてはいけません。(そこまで考えても結局スピーカー自体が日常の生活から考えるとかなり大きくて邪魔なものですけど。)それにCDやDVDやビデオやCATVチューナー、それにパソコン、TVなど、音が出るものは全て一旦AVアンプの入力端子につなげなくては、せっかく買ったAVアンプからありがたい音が出てきません。(ケーブルも、不足分やアンプに見合ったグレードの高いものを奢ったりなど、接続のためのアクセサリー追加&新規購入などの準備もバカになりません。)説明書を見ながら、そして一旦繋いでも配線を間違ったりしてそれを直しながらの接続で会社帰りの深夜4時間×2日間を費やしました。(あっ、それから家族のTVライフを保つためにも今までAVアンプを通さなくても見ることができたビデオなどは、今までと同じ手順で見られるようにダブルで配線を行いましたよ、モチロン。)

 そしてやっとの思いで配線が終了してもまだキチンと音は鳴りません。AVアンプの各種設定がまだだからです、フゥー。まず、どの入力映像とどの入力音声を組み合わせるかを設定したり、リスニングポイントと各スピーカーの距離を設定したり(ということはメジャーで全てのスピーカー距離を計ったりするわけですけど、同時にスピーカーの位置決めまでしているので、位置決めをやり直すと距離が変わって、ハイまた最初からやり直しなんてことが頻発します。アァ〜)、その他初心者には何のためにやるのか分からない調整まで、設定は多岐に渡り項目も恐ろしいほど山盛りです。そのうえ項目によっては説明書を読んでも「こんなやり方や、あんなやり方もあって、リスナーのお好みでお選び下さい」なんてのまであるんですよ。確かに環境が違えば音も違ってくるんだろうけど、やったことないから分からないっすよ〜、と泣き言を言いながら視聴しつつとりあえず設定が終了したのは設定開始から約4時間。くぅ〜、映画見るまでに合計12時間以上はかかっちまった……。この時にはさすがにパイオニアの自動音響補正システム付きAVアンプにしとけば良かったかも、なんてことも考えちゃいました。けれど、初めてホームシアターシステムでスターウオーズエピソード1を観たとき、この苦労は報われたと思いましたね。サラウンドの効果は絶大! もうホントに別次元の臨場感! 映画の中のポッドレーサーが縦横無尽に部屋を駆け巡ったときには感動の坩堝(るつぼ)!「S君、本当に音が体を突き抜けたよ!」もしかしたら映画館よりも迫力あるかも、って感じです。こうしてついに僕もホームシアター生活のスタートを切ったわけです。



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