AVと聞いて「おっ、アダルトビデオ?」なんて思ったあなた、エッチですよ。今回のお題はオーディオ&ビジュアルの略のAVなんです。素直にA&Vと書こうかと思ったんですが、インターネットを見ていても、みんなAVと書いてあるのでこう書くことにしました。

 娘が産まれてから映画館へはご無沙汰でしたが、娘に分別も付き長い時間ジッとイスに腰掛けられるようになり、またそれと同時にシネマコンプレックス形式の映画館が近所に出来たこともあって、ここ何年か定期的に映画館に通うようになっていました。(2002年夏はロード・オブ・ザ・リングス、スパイダーマン、MIB II、STARWARSエピソード2など観ました。)このシネマコンプレックスは施設内に20以上のスクリーンがあって、広くてきれいでまるでアメリカの映画館みたいです。入れ替え制なので席にも必ず座れるから子供連れには最適。それに最近の映画は日本語吹き替え版も多くなって娘にいちいち説明する手間もありません。それになんといっても特筆すべきは充実した音響設備でしょう。やっぱり映画館で観ると迫力が違うので、派手な映画を観る機会が高まります。

 そんなところに、社内で5.1チャンネルのホームシアターシステムを導入しているS君から「ホームシアターを導入すれば、映画館と同じように音が体を突き抜ける」なんて話を聞きました。しかしその時にはまだ「えぇ〜、いくらスピーカーが多くなっても家と映画館じゃ比べものにならないでしょ」なんて思っていました。だって、どんなに凄いと言ってもホームシアターじゃ映画館の迫力を味わうなんて無理だと思うのが普通じゃないですか。でも映画館に通う機会が増えたこともあり、ホームシアターにも少しずつ興味が湧いてきてしまったんですね。

 しかし学生当時、音楽好きがこうじて、もっともっと良い音で音楽を聴きたくなり、オーディオショップのハイエンドオーディオコーナーに通いながら、少しでもその音に近づけようとコツコツとアルバイト代をオーディオに注ぎ込んでいたこともあり、あの世界には少なからず恐怖がありました。なぜかというと「あの世界は上を望むとキリがない底なし沼」だからです。だからまたあのオーディオ世界に足を突っ込むなんてことは、自分にとってすごく危険な香りがプンプンとしてきます。そう分かっていながらも我慢しきれず去年(2001年)の秋にホームシアター専門誌を買って読んでしまったのが運の尽き。本の中には甘い罠が誌面中に溢れていました。そして危険だと思っていたとおりホームシアターシステムがとても凄そうなものに思えてきました。そのうえその年末にはホームシアターなんかに全く興味が無さそうだった中学時代からの友人までもが5.1chホームシアターシステムを購入し大絶賛。やばいと思いつつ徐々に気持ちがホームシアターシステム導入へと(この時にはまだ微妙ではありますが)傾き始め……そして週末、家族で家電ショップに行くような時には、自分は買い物そっちのけでホームシアターシステムの視聴に精を出すようにまでなってしまったのです。

 僕がそうやって視聴&カタログ入手をしながら、その成果を参考に購入候補を調べ上げ雑誌の評判や機能チェックなども綿密に行いつつ候補を絞り込むと同時に、その機器の最安値をインターネットで調査。でもこれをやっていると悲しいことに購入候補が最初買おうと思っていた価格帯のモデルより少しずつ少しずつ高くなっていくんですね(泣)。この時点で候補に残っていたのは10万円以下のAVアンプでDENONのAVC-2850か3550、あるいはヤマハの同程度の機種でした。この時点でも既に自分としては予算が大分跳ね上がってしまったと思っていたのですが、それでもこの時に候補に挙がっていた機種をさっさと買っていればまだ良かったのです。しかし深く掘り下げないと気が済まない性格が災いしてそれもなかなか出来ず……。今思えばこの時に考えていた機種はまだまだ安いものでした。

 2002年春に入ってから下調べも一段落した頃、自分の調査に間違いないかを誰かに相談してみることにしました。そこで相談相手として浮上したのが弊社宇野氏(彼は昔CDを出したこともある知る人ぞ知る音楽家なんです)。試しに軽くホームシアターの話なんぞをしてみると、なんと彼は随分前にサラウンド環境を家に設置済みでした(まぁビックリ)。しかしかなり古いシステムだったこともあり、最新のホームシアターシステムに彼も興味シンシン。しかし今思えばこれが更なるドツボの始まりでした。彼が知り合いのオーディオメーカーの人に評判を聞く。そしてそのフィードバックによって調査対象を広げたり絞り込んだりという作業を続けているうちに、のっぴきならない事態に陥っていきました。オーディオ&音楽関係者が関わってくるとサウンドに妥協を許さないもので、映画鑑賞も重要だが音楽鑑賞も重要という話になり、映画鑑賞だけなら普通のAVアンプでも良いが音楽鑑賞もとなると、その点を考慮したアンプが必要だということになってしまったのです。そこで純粋なステレオでの音楽鑑賞にも耐えるピュアオーディオモード(ステレオで音楽を聴くのに必要じゃない部分の電源をカットしたりして微少なノイズや歪みさえも全て排除する機能)搭載アンプにしようなどという状況になりました。「ピュアオーディオモードが付くだけで、一体いくら値段が跳ね上がると思ってるんだよ」なんて心では思っても、後には戻れない状況に追いつめられ、そしてまた自分も結局その影響を受けてどんどん深みにハマり、この時点で候補に残ったのはピュアオーディオモードが付いたデノンのAVC-A1SR-nとAVC-A11SR-nのどちらかという事態になったのです。しかしどちらもあまりに遠いお空の価格というわけで、なかなか踏ん切りがつかない状態が続きました。



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