キャメロットのスタッフに疑問をぶつけようのコーナー

= 2000.6.28 =

あなたのギモン その10

何故、いまさらテニスなんですか? ボウリングの方が遊びたい。



今回のギモンは、発売約一ヶ月前となった「マリオテニス64」について”何故、いまさらテニスなんですか? ボウリングの方が遊びたい。”というギモン。

 今回はその答えと併せて、週間ファミ通に掲載されている鈴木みそ先生の「おとなのしくみ」にもちょこっと描かれた”少年ボウラー 高橋秀五”が載った雑誌類も極秘入手し公開!!

 そこまでボウリングを極めていた高橋秀五本人が、ボウリングゲーム制作の可能性についてもお答えしています!


 

何故、いまさらテニスなの?

ボウリングの方が遊びたい。 マリオテニス64は面白いの?

鳥取市 佐々木信二さんのギモン

 
 


 

 

つい最近「鈴木みそ」氏がキャメロットに来てくれました。週刊ファミ通に大好評隔週連載中の「おとなのしくみ」の取材です。ゲーム業界の表や裏(特にウラ)が切り口シャープに描かれる「おとなのしくみ」は僕も大ファンで、いつもいつも楽しく読ませていただいています。 >みそ先生取材訪問時の模様はこちら

 その詳しい内容はファミ通本誌を読んでもらうとして(「マリオテニスのしくみ」完結編は6/23売り号に掲載されています。1回目は5/26売り号に掲載されました。)、みそ氏はテニスを週2〜3回(平日にスクール、日曜日にはコート貸し切りでテニス仲間と試合)はやるという強者(たぶん忙しかったりすると出来ないんだろうけど・・・)で、キャメロットでテニスゲームを作っていることを知りどんな案配かをさっそくチェックしに、いや取材しにいらしたというわけです。その時にみそ氏と話していたことがこの疑問の回答になるのではないかと思いますので、思い出しながら綴ってみることにします。もちろん話しがアッチやコッチにポンポン飛びまくるのでご容赦を。


少年ボウラー 高橋秀五 その1
WEEKLYアサヒボウル掲載(昭和46年10月21日号)

  ★  

 「マリオゴルフ」や「みんゴル」は(本物の)ゴルフの爽快感や醍醐味をゲームとしてプレイしてもらおうという意図を持って作ったゲームです。本当にゲームとして楽しめ、そしてゴルファーが納得のいくゴルフゲームを作れば、縮小してしまったゴルフゲーム人口(もちろん「みんゴル」企画段階での話。「みんゴル」や「マリオゴルフ」の登場でゴルフゲームプレイヤーの規模は今や一気に膨れ上がりました。)も、任天堂ディスクシステムの「ゴルフJAPANコース」や「ゴルフUSAコース」が登場したあの頃とまでは言わなくとも、みんなが楽しく遊んでくれるジャンルになってくれるに違いない。そんな気持ちを持ちながらボールを操る気持ちよさ、コース設計家との知恵比べ、地形や風といった自然との戦い、ゴルフ仲間とのやりとりなどを通してゴルフの戦略性や爽快感をゴルフとして、そしてゲームとして作り上げていったのです。結果としては思った以上のヒットとなり、面白いゲームさえ作ればCGに頼り切ったゲームなどよりずっとみんなが楽しく長く遊んでくれることの証明になったことと思います。

 そして制作前には、ゴルフゲームのポイントを見極めるため「自分たちはこんなゴルフゲームを作りたいと思っているがどう思うか」というようなことをいろいろな人とじっくり話もしました。プロゴルファーの方とも話をしましたし、面白いコース設計をするためにアメリカに出かけ著名な設計家の話も聞きました。その中でコース設計のセオリーなどは非常に参考になりましたが、プロゴルファーの話などはあまりに感覚的で、画面上から全ての情報を得て、コントローラーで全てを操作するゴルフゲームには向かないことが多いことがよく分かりました。例えばプロゴルファーの方からすれば「パターの打ち方には100通りくらいの打ち方がある。」というようなことです。スライスラインに対してストレートボールを打ってスライスライン通りに攻めたり、フックボールを打ってスライスラインをうち消すような打ち方をしたりというのは確かにゴルフの方法論として存在するでしょう。しかしパターだけでもそんなにたくさん選択肢があっては、もっと色々な条件が絡んでくるウッドやアイアンのショットでは、とてつもない選択肢を用意することになってしまいます。これではゲームプレイヤーは打つ前に考えることも一杯、やることも一杯で自分のプレイに専念できませんから、ゲームとしてのゴルフの爽快感を逆にスポイルしてしまう結果になってしまいます。何をプレイヤーに楽しんでもらうのか、そのためにどんなゲームを作るのか、そしてそれをどう具現化するのかがゲームにとって非常に重要なポイントですから、これらを総合的に考えると「×××プロ監修」というようなゲームを作るにしても、プロが求める感覚をそのままゲームに入れ込むだけでは結果的になかなか面白いものにならないことがよく分かります。

 ティーグラウンドではコースレイアウトや風といった情報から自分はどのクラブでどんな球を打ってどう攻めるのかという戦略を楽しみ、最終的にスイングというアクションを行う。そしてアプローチではボールを打つライやピンまでの距離に障害物、そして風。さらにはグリーンの傾斜や形状にグリーン上のピンポジションを考え、次のパッティングに出来るだけ有利な場所を狙って出来るだけ自分にとって易しいクラブを使いプレッシャーをはねのけて最終的にスイングというアクションを行う。パットではグリーンの上り下りや横の傾斜を計算して自分が思ったラインを読み、最終的に自分の思った強さで打つというアクションを行う。そしてそれらはことごとく成功と失敗の劇的な結末が待っているというわけです。プレイヤーにはそんな細かいことはともかくとして、自分の思い通りの球を気持ちよく晴れ渡った青い空(たまに曇っていることもあるけれど)に向かって打ち放つ爽快感を、そしてゴルフ場のすがすがしい空間をストレスなく爽快に味わってもらえるかどうか、そしてそれらを総合して最終的に「面白い」かどうかが問題なのです。我々のそういったコンセプトを実現するために必要な要素を、時にはデフォルメして時にはさりげなく入れ込み、たとえプロの助言であろうともゲームのコンセプトからはずれるような要素であれば勇気をもって切り捨てるなどの取捨選択を繰り返しながら作り上げられた結果が「みんゴル」「マリオゴルフ」へと結実しているのです。



少年ボウラー 高橋秀五 その2
新聞広告にも堂々と”高橋秀五少年”の文字がッ

  ★  

 そうやってスポーツゲームとしてのゴルフを作り上げてきたキャメロットが、今回テニスゲームを作ることになりました。「みんゴル」発売当時から「いつかキャメロットで面白いテニスゲームを作ろう」ということを社長とずっと話していたのですが、遂にそれが実現へと動き出しました...

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