DSPの使い方講座、ブレイズのできるまで


 我々は「シャイニング・フォースIII」ならではの新たな演出や表現力をアップするため、ポリゴン技術の進化を図りました。それがDSPを用いたリアルタイムテクスチャージェネレートという方法です。

 これはサターンに搭載されているDSP(デジタルジグナルプロセッサ)を用いて、ポリゴンモデルに張り付ける絵を1フレーム毎に演算処理を施して生成するというものです。DSPは、非常に高速に演算を行うことができますが、プログラム領域が極端に小さいため、使いどころが難しく、現在までこれを有効活用したソフトは数えるほどしか存在しません。本作では、これを炎や水の流れの表現に応用することで、驚くほどなめらかなアニメーションと、従来苦手とされてきた半透明や光の透過などの表現力を劇的に向上させています。

 その表現力を生かして表現したシーンは随所に応用され、自然の自然らしい美しさを再現しています。魔法はより魔法らしく自然の景観はより自然らしく表現された各シーンはプレイヤーの冒険心を高めてくれることと思います。


 今回はDSPで作られる様々な効果の例として、ブレイズや滝のシーンにおけるDSP効果に関する写真を用意させていただきましたので、写真とともに説明させていただきたいと思います。

 

 前作「シャイニング・ザ・ホーリィアーク」では召還魔法等で自然な波の動きを再現するためにメインCPUで演算処理を行っていました。

 これは、内部処理を分かりやすく説明するために視覚化した概念図です。波の伝播をシミュレートしています。

 ここで、この波伝播アルゴリズムをブレイズのエフェクトへ転用するために、波の高さを温度に置き換えて考えてみます。温度の高低は、色と明るさにさらに置き換えることができます。

 こうして、波の情報は燃え盛る炎の画像データとなります。

 シャイニング・フォースIIIではその技術をさらに発展応用させるため、非常に高速に演算を行えるDSPに目をつけたわけです。

 ちなみに「シャイニング・フォースIII」のブレイズで使われている炎のシミュレーションには「シャイニング・ザ・ホーリィアーク」でのエレメントレベル3(サラマンダ)の地表処理の16倍!程度の演算を要しています。そしてさらに滑らかに美しく見せるために、グラフィック演算処理をその上に施しているのです。


 自然美を再現した滝です。滝壺で水が飛び散り、霧のように立ちこめているのが分かっていただけるでしょうか。ここにもDSPリアルタイムテクスチャージェネレートの技術が生かされているのです。


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