「バンジョ〜とカズ〜イの大冒険2」

スージー中村 / 著


飼猫        01/05/10  up
(37mm×37mm )





ファイヤーエンブレム・・・3戦闘でストレスによるリタイヤ。
サイ・ジャンボ・・・・・・ストーリーモード途中、鉄製サイによりアクーイちゃん瞬死。怒りのあまりリタイヤ。
天誅・・・・・・・・・・・もともとやる気が無い為、トレーニングモードの壁が登れずゲーム開始10分でリタイヤ。
ゼルダの伝説・ムジュラ・・ラスボスを目前にして、現在インターバル中。

と、華々しい私のゲーム歴の数々。
本当はまだまだあるのだが、今回は、私が自力で解いた数少ない一本、
そう「バンジョ〜とカズ〜イの大冒険」だ。
とにかくグラフィックはきれいでかわいいわ、面白いわで、まるで盆と正月がいっぺんに来たようなゲームなのだ。
悪い魔女に拐われた妹チュ〜イ(熊)を救うべく立ち上がった兄バンジョ〜(熊)と
口の悪い女の子カズ〜イ(鳥)の珍妙タッグが、繰り広げるアクションゲームだが、
クリアしてみて一言、

『バンジョ〜って必要・・?』

カズ〜イ一人で互角に魔女と渡り合えるのだ。
だって必要なアクションって、ほとんどカズ〜イの役割だもん。
飛ぶ・泳ぐ・卵攻撃 etc・・枚挙にいとまが無い。
しかも鳥だから、冒険中いざって時の「非常食」にもなる。
まさに『カズ〜イに捨てるところ無し』ってワケだ。
それに引き替え、バンジョ〜の・・(以下、略)

そして、時は流れた。
20世紀末に待望の「バンジョ〜とカズ〜イの大冒険2」が発売されたのである。(以下「バンジョ〜2」)
まだクリアしてないのだが、前作に比べ、バンジョ〜の必要度がグッとアップしている。
アップしているような気がする。いや、アップしていて欲しい。
しかし、本当に語りたいのは「バンジョ〜の必要度」などでは無い。
特筆すべきは「バンジョ〜2」における『冒険の動機』なのである。
前作における『冒険の動機』は、「拐われた妹を助けに行く」というものであった。
プレイヤ〜はバンジョ〜に自分を、妹に兄弟または大切な人を重ね合わせ
ゲームに対するモチベーションを上げるのだ。(えらく安直だが・・)
皆さんも考えてみて欲しい。
自分の大切な人(恋人・親・兄弟・ペットの猫etc・・)が拐われたら、
たとえ、溶岩の海に落ちて即死しようが、
スクリューに巻き込まれて瞬死しようが、助けに行くだろう。
しかし「バンジョ〜2」における『冒険の動機付け』は、はっきり言って『苦い』のである。
前作で、大岩の下に封印した魔女グランチルダが復活し、バンジョ〜邸にお礼参りにやって来る。
丁度その時、バンジョ〜邸では賭博の真っ最中。
メンツは、バンジョ〜・カズ〜イ・マンボ(骸骨)・ボトルズ(モグラ)である。
グランチルダは魔法でバンジョ〜邸を大爆破。意気揚々と引き上げてゆく。
そして逃げ遅れたボトルズは、黒焦げになって死んでしまうのである。
しかし、成仏できないボトルズの魂は己れの屍の横にたたずみ、

グランチルダを追い掛けてくれ。私の屍が腐ってゆくのが目に入らないのか?

と訴える。
バンジョ〜達は思った。
友をこんな目に遇わせた魔女グランチルダを許せない、
そしてグランチルダを倒せば、ボトルズを復活させられるのではないかと・・。
そうと決まったら、こうしちゃいられない。
グランチルダを倒さねば。
ボトルズの屍が、腐り果てる前に・・ってのが、今回の『動機付け』である。

が、しかし!!

よく考ると、「ボトルズ復活」はあくまでも憶測の域なのである。
グランチルダを倒しても、ボトルズが復活するという、確固たる保証はどこにも無いのだ。
しかも「死体が腐り果てる前に・・」なんてタイムリミット的なプレッシャーがのし掛かる。
そんな、見切り発車的な発想で、危険な冒険に挑めるだろうか?
君は、そんな不確かなものの為に、燃え盛るスチーム釜に素足で入れるか?
窒息覚悟で、水中洞窟に潜れるか?
答えは「否」である。
しかし、私のそんな思いをよそに、ゲームは進行する。
冒険のステージに向かう時、なんとボトルズの家を通るのである。
そこには、夫の帰りを待つ、どう見ても専業主婦の妻と、やんちゃ盛りの子供が二人もいたのだ!!
「ボトルズに家庭が!!」という根本的衝撃はさて置き、ここでの会話が、『苦い』のだ。
貞淑な妻(このキャラが、またいいんだ。カーラーなんぞ巻いて生活臭でまくり。)が、のたまう。

「いつも夕食までには帰宅する夫が、まだ帰って来ないのです。こんな事初めてだわ、云々・・・」

『 奥さ〜ん、おたくのご主人ね、死んじゃいましたよ。』

と、み○もんた風に言ってやりたいところだが、ゲームの登場人物に私の声が届くワケがない。
子供も同様。

「バンジョ〜の眼鏡が壊れたら、パパになおしてもらうといいよ」

『そのパパが壊れちゃったんです。』

・・・・苦い・・苦すぎる。
父親が死んだなどと、これっぽっちも思ってない。(あたりまえか)

その時、私の頭の片隅を何かがよぎった。
もし私(バンジョ〜)が、打倒グランチルダの旅に出発しなければ、この母子はどうなるのだろう・・・?
見るからに「生活力ゼロ」の母親。
夫を失うことによって、一家は生活の基盤を失う。
生活の為、母は仕事に就く。しかし慣れぬ労働に体をこわし入院。
一家は貧困のドン底に・・・。
そして、残された幼い兄弟の行く末は・・・?

そうか!!

「バンジョ〜2」における真の『冒険の動機付け』はこれか!!

モグラ一家救済活動

私(バンジョ〜)のさじ加減一つで、ある一家の未来が決定されるのだ。
強引だがRPGの基本を、「人類もしくは国・大切なモノetc・・を守る為に戦う」と定義しよう。
もし目的を達成出来なかったとしたら、プレイヤ〜の胸に去来するものは何だ?
それは『失意』だと思う。

『人類を守る為「大宇宙の大いなる諸悪の根源」などという訳のわからない敵と戦う自分は小学生』

・・・負けて当然。
だが、その悔しさをバネにして遂げられなかった目的を、再チャレンジして達成するのだ。
その「達成感」こそが、クリアした事への「ご褒美」であり、次のゲームへの「活力」となるのだ。
嗚呼、ゲームって素晴らしい。
では「バンジョ〜2」において、目的を達成出来なかったら・・・?
プレイヤ〜の胸に去来するもの・・それは『罪悪感』だ。
『罪悪感』・・拭い去ろうとしても潜在意識下に、あたかも靴底にこびりついたガムの様にへばりついて離れぬもの。
普段は意識下に眠っているが、なにかの拍子に突然浮上し、罪の意識に責め苛まれる自分自身。
かつて、途中放棄して『罪悪感』を感じるゲームがあっただろうか?
頭の中に浮かぶイメージ・・・それは、坂道を転がり落ちる様に堕ちぶれてゆく残された彼の妻子の姿。
私がグランチルダを倒さなかったばっかりに、妻子をも不幸にしてしまったのだ。
勿論、一番悪いのは魔女グランチルダだとわかっている。
しかし、心の片隅に小さなトゲが突き刺さっているのだ。
『罪悪感』という、なかなか抜けない小さなトゲが・・・・。

だから、私は今日もコントローラーを握る。
ゲームを始めてしまった以上、見なかった事にして、そ知らぬ顔は出来ない。
たとえ相手がモグラの一家だとしても。
サイは投げられたのだ。
我人生に汚点を残してはならない。
重い十字架を背負ってイバラの道を歩くなんて、まっぴらだ。

上がれ! 俺のテンション!
下がるな! 俺のモチベーション!!

この際、悪しき魔女の野望なぞどうでもいい。ボトルズ一家を救うのだ!
(おそらく、魔女の野望打破=ボトルズ一家の救済であろう。)

苦々しい感情を胸に、目標・年内クリアだ!!



 

[余談]

やはり「バンジョ〜2」もメチャ楽しいゲームである。
難位度はかなり上がっているようだが、期待を裏切らない。
でも、一つだけ・・・

 一作目をプレイした方は、ご存じだろうが
醜老魔女グランチルダが妹チュ〜イを拐った理由は
チュ〜イの若さと美しさを抽出して、自分が若返る為であった。
ゲーム途中で、セーブ・ゲーム終了すると、
バンジョ〜の目的「妹奪還」が失敗に終わった時の、シーンがあらわれる。
若さと美しさを失って、ブクブクに醜く太った妹が
「おにいちゃ〜ん、どうして助けてくれないの〜〜〜〜?」と
悲嘆にくれる、そして GAME OVER となるのだ。(冷静に考えるとスゴイな)
きっとプレイヤ〜のモチベーション維持のための措置だろう。
(いや、本当はただのお遊びだと思うが)

当然二作目も同じように、

腐り果て蛆がわき蝿がたかった、とてもボトルズとは識別出来ない程崩れた死体。
その横で「バンジョ〜〜〜、なんで助けてくれないんですか〜〜〜〜?」と
泣きわめくボトルズの魂・・・ってな光景が見られる事を期待しました。

・・が、きっと許されなかったんでしょう・・・
そんなシーンはありませんでした。
 

残念!!


 
 
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