あの日あの時あの一本
第六回 「ZORK」−日本人みたいなアメリカ人Jhodさんの場合−

 どうも、webmasterです。今回のコラム、いきなり内容から始まっちゃってるんで、ちょっと人物紹介をば。今回コラムを担当してくれるのはJareth Hein(ジェラス・ヘイン)さんというドイツ系のアメリカ人です。キャメロット作品のスタッフロールに毎回出てるので、この名前に見覚えのある方もいらっしゃると思います。子供の頃からコンピューターに慣れ親しみ、将来は理工系の研究者かと思いきや、日本のアニメに心打たれ、アニメ好きが高じて日本にまで来てしまったというちょっと変わった経歴の持ち主です。それにしても下のイラストものすごいですね。それはともかく、今回彼には日本語でコラムを書いてもらいました。日本語ペラペラなだけじゃなく、文章も書けるんだから相当なものです。逆の立場だったら大変ですよね、宇野さん。話がそれました。それでは、Jhodさん、お願いします。あ、Jhodっていうのは彼の愛称らしいです。自分で言ってるんで間違いありません。ん?



 一番心に残るゲームは何? って聞かれました。うむ、難しい質問ですね。最初に遊んだゲームはやっぱしインベーダゲーム(うわぁ、古〜い!)でした。革命的の存在かも知れませんが、当時ピンボールにハマってしまった僕には何か合いませんでした。楽しかったけど、求めている物ではなかったかな? 今でも思い出して感動してしまうゲームは…「ZORK」(ゾーク)です。


ZORK I: The Great Underground Empire
Copyright (c) 1980 Infocom, Inc. All Rights Reserved.
ZORK is a registered trademark of Infocom, Inc.
Release XX / Serial number XXXXXX

West of House
You are standing in an open field west of a white house, with a boarded front
door. You could circle the house to the north or south.
There is a small mailbox here.


 ゾークは1980年に発売した文字だけのアドベンチャーゲームです。発売当時に爆発的に売れて、最終的に約10万枚の売り上げを達成しました。ゾーク自体は1970年代MIT(マサチューセッツ工科大学)で開発した最初のコンピュータゲーム「DUNGEON」(ダンジョン)の抄訳版です。その後、続編がばんばん出てきて、ZORK II, ZORK III, ENCHANTER, SORCERERとSPELLBREAKERが発売され、好評を博しました。そして、グラフィックを加えた、BEYOND ZORK, ZORK ZERO, RETURN TO ZORKとZORK NEMESISも出ました。みんなその愛すべく奥深くちょっと可笑しいGreat Underground Empire(強大地下帝国)でプレイするのです。

 何でそんなに感動したかって? ゾークの特徴はその完全に作り込まれた世界観です。すべての物には理由があります。そして、ゾークのGUEのために1000年近い歴史設定が作られました。あそこに冒険しながら、ほんとに吸い込まれてしまいました。読書少年の僕にはあの文字だけで、恐ろしいGrueや、美しいFlathead Mountainsなどはちゃんと頭の中で描かれていました。どちかというと後の方のグラフィック版があまり好きではないのは自分の想像したゾークのほうが面白かったからかも知れません。

 「あぁ、コンピュータゲームで世界が生かせるんだ。凄い面白いな…僕でも出来るなのかな?」と思いました。ゾークは本当に細かく仕上げました。数年前、僕はゾークの開発者の一人と話す機会がありました。その会話の中でゲームをテストしてくれる人と開発者の関係が話題となり、彼が面白いことを言いだしました。「ゾークの最初の方にトロールを殺さなきゃいけませんね。持ち物システムを作っている私があのトロールの斧が拾えるように変更しようかなってテスターの人に話したら。その人はすぐ「じゃ、森で木も切れますよね?」と聞きました。もちろん、それが出来ませんし、出来たら逆に困ります。斧で扉などを壊すわけにもいきません。いやぁ、テスターはいろんなことを考えてくれますよね。」そんなにリアルで、ありそうな世界を作ってくれました。

 日本にも文字だけのアドベンチャーゲームがあったそうでが、ゾークは芸術に近いと思います。今のグラフィックが綺麗なだけのゲームではまだゾークにはかなわないと思います。僕はゾークの芸術に近づいたゲームを作る努力をしていきます。そして、次の時代の少年少女たちに想像する楽しさを伝えてあげたい。



 というわけで、このコーナー始まって以来のまじめなコラムでした。Jhodさん、ありがとう。だいたい初回からテーマ外しまくって二回目の宇野さんで完璧にどっか行っちゃったもんだから、このコーナーの存在を疑問視する向きもあったぐらいで……。
 それはともかく、日本産の文字だけアドベンチャーと聞いて、表参道とか南青山とかを思いだした人、いい年です。素直に認めましょう。
 ところでJhodさん、次の人指名してくださいな。あ、宇野さんはダメだよ、一回やったし、ページが荒れるから。そんじゃよろしくねー。 (webmaster 田口でした)

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